ここがヘンだよ、ニッポン企業 第4回

「スシロー」「くら寿司」が値上げの中、「かっぱ寿司」が「100円皿」を30商品増やしたワケ

「一皿100円」のメニューを新たに30商品追加すると発表した「かっぱ寿司」。「スシロー」「くら寿司」が相次いで「脱100円メニュー」へとかじを切っている中、あえて「逆張り」の戦略を取る理由とは……。

2強の決算が好調の中、「かっぱ寿司」は……

「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIESの2022年2~6月四半期における売上収益は717億円で、増収率は20%と好調をキープしている。「くら寿司」も同じ四半期の売上高429億円で、増収率19.9%と不祥事の影響はほとんどない。
 

では、2強のブランドイメージが傷ついていた中で、特に何のスキャンダルもなかった「かっぱ寿司」はどうかというと、同じ四半期の売上高は168億で増収率は1.7%にとどまっている。
 

これほど圧倒的な強さを見せる2強から、客を少しでも奪っていこうと思ったら、同じような「脱100円寿司」などを進められるわけがない。むしろ、2強が絶対にやらないことをやるべきだ。
 

それこそが「100円メニューの拡大」だったのではないか。
 

かつては多くの回転寿司チェーンが販売していた100円メニュー(画像はイメージ)

 

「かっぱ寿司」が「100円メニュー」にこだわる理由

「かっぱ寿司」がこの方向にこだわるのはもう1つ理由がある。「目標」としているある回転寿司チェーンが「100円メニュー」を死守しているからだ。
 

それは「はま寿司」だ。
 

東京・秋葉原や横浜・みなとみらいなどの一部の「都市型店舗」を除いて、「はま寿司」は「一皿100円」を掲げている。「贅沢握り」や「期間限定」は150円だが、大多数は100円メニューを提供している。
 

この安さを可能としているのは、外食チェーン大手のスケールメリットだ。


>次ページ:「はま寿司」が「100円メニュー」を死守できるカラクリ

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • 「正直、日本ってさ…」外国人に聞くぶっちゃけニッポン

    「菜食主義者の外食が困難」30代イタリア人女性が感じる、日本人の“過剰さ”とは?

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『塔の上のラプンツェル』悪役のゴーテルに「愛」はあったのか。5つのポイントから考察

  • アラサーが考える恋愛とお金

    専業主婦の母は「金銭的理由」で離婚できなかった。共働きによって離婚はカジュアルになったのか

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    「スヌーピー」のラッピング電車、デビュー! 車内は中吊りも壁面も『PEANUTS』キャラだらけ