円安や世界的な原料価格の高騰を受けて、回転寿司チェーンのツートップ「スシロー」「くら寿司」が相次いで「脱100円メニュー」へとかじを切る中、「かっぱ寿司」の「逆張り」が注目を集めている。
9月14日から、「一皿100円」(税込110円)のメニューを新たに30商品追加すると発表したのだ。これで「かっぱ寿司」の100円メニューは計84商品(西日本では83商品)となる。
食品や電気代などが続々と値上げを発表し、消費者側も「嫌だけどしょうがないか」と受け入れつつある今の時代に対し、背を向けた形だ。
では、なぜ「かっぱ寿司」はこのタイミングで「100円メニュー充実」という逆張りに動いたのか。まず、大きいのは「2強」と同じことをしても「差」が開いていってしまうだけ、ということがある。
不祥事が発覚してもビクともしない「スシロー」「くら寿司」
「スシロー」は2022年6月に「おとり広告」問題が発覚してマスコミでも大きく取り上げられ、その後も広告で紹介しているキャンペーンが行われていないなどの不祥事が多発した。
一方、「くら寿司」も4月、山梨県の店舗の駐車場で、店長が焼身自殺をしたことが報道された。この店長は上司からパワハラを受けて悩んでいたとして自殺との関係が指摘され、ブランドイメージが失墜した。
普通に考えれば、これらの不祥事で業績が多少なりとも影響を受けそうものだが、今の「2強」はこの程度のことではビクともしない。
>次ページ:2強の決算が好調の中、「かっぱ寿司」は……