「作ったことはないけれど、実は気になっている……」という人に向けて、生みの親である料理家さんのレシピに基づき、調理師免許を持つグルメライターの筆者が詳しい作り方を紹介します。さらなるアレンジ方法や、モッツァレラチーズではないチーズとの相性も確かめてみました!
2007年、料理研究家・内田真美さんが著書で紹介
考案者は料理研究家の内田真美さんだとされています。きっかけは、2007年に出版されたレシピ本『洋風料理 私のルール』で紹介された「桃とモッツァレラのサラダ」。その後、料理家・文筆家として活躍するツレヅレハナコさんが2008年にブログでそのおいしさを熱く紹介し、そこからじわじわと人気が広がり、2014年頃にSNSで話題をさらいました。
それから8年、試しに現在Instagramで「#桃モッツァレラ」と検索すると、1.9万件もヒット! 一過性のブームではなく、夏ならではの旬の料理として毎年楽しんでいる人が多いように思えます。
内田さんのレシピで「桃モッツァレラ」を作ってみよう
ここからは内田さんのレシピをもとに再現していきましょう。用意するのは、桃とモッツァレラチーズ、レモン、オリーブオイル、白ワインビネガー、塩、こしょう。どれもスーパーで入手できる材料ばかりです。
まずはモッツァレラチーズを手でひと口大にちぎっておきます。
桃は食べる直前にカット。皮をむき、ひと口大の乱切りにします。
レモンは皮の部分を使います。「ゼスター」と呼ばれるおろし金を使うか、包丁で千切りに。筆者はキッチンバサミで切りました。
お皿に桃とモッツァレラチーズを盛り付け、オリーブオイルと白ワインビネガーを回しかけます。その後レモンの皮を全体に散らし、塩とこしょうを振って完成。
ジューシーな桃に、あっさりとしたモッツァレラチーズ。レモンの爽やかさが桃の甘みをうまく引き立てていて、さっぱりと夏らしいおいしさ! 今回は柔らかくて甘い桃だったのでデザートのような味わいになりましたが、硬い桃でもサラダ感覚でスッキリと食べられる気がしました。
お酢やレモン果汁を使うのはアリ? チーズを変えたらどうなる?
この後、白ワインビネガーをお酢に、レモンの皮をレモン果汁に変えてもう一度作ってみました。でも、やっぱり最初に作った方がおいしい……! お酢だと酸味が少し強すぎる印象があり、レモン果汁では桃の果汁となじんでしまうため、存在感があまり感じられませんでした。内田さんのレシピでの「桃モッツァレラ」を知ってしまうと、代替えができなくなってしまいますね。
さらに、チーズをフレッシュタイプのモッツァレラから、青カビタイプのゴルゴンゾーラチーズに変えてみました。すると塩気や苦味のあるゴルゴンゾーラの存在感が強くなり、桃が主役ではなくなってしまいました。口当たりがやわらかく、ムチッとした食感のモッツァレラだからこそ、桃が映えるのかもしれません。
またゴルゴンゾーラチーズの食感もホロッとしているため、違ったアクセントが欲しくなり、後からクルミを加えて食べました。「桃モッツァレラ」は子どもから大人まで食べられる優しい味、「桃ゴルゴン」はちょっと大人の味、といった印象です。
そうめん、ピザ……「桃モッツァレラ」をアレンジしてみよう
そのままでも抜群においしい桃モッツァレラ。ちょっと違った食べ方をするならば……と、2種類のアレンジをしてみました。一品目は「桃モッツァレラそうめん」。冷製パスタによく使われる細いパスタ「カッペリーニ」の代わりに、日本の夏の定番「そうめん」を使っています。
作り方も簡単。規定通りにゆでてキリッと冷やし、水気をしっかり切ったそうめんに、内田さんレシピの桃モッツァレラを和えるだけ。少し塩気が欲しいので、塩を少し強めに振ります。食欲が落ちてしまいがちな暑い日でも、軽やかな甘さでするするっとと食べられます。
二品目は「桃モッツァレラピザ」。市販のピザ生地に先ほどの桃モッツァレラをのせ、オーブントースターで焼き目が付くまで焼くだけです。モッツァレラチーズは加熱することでよく伸びてトロトロに! アツアツの桃は甘みがグッと増します。温めることで桃の果汁が生地に染みだすのでクリスピーな食感ではありませんが、ジューシーなデザートピザとして楽しめます。
桃の旬は9月頃まで。おいしそうな桃が手に入ったら、ぜひ作ってみてくださいね。
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