「ゴーグルを取れ」はなぜ?
続いて取り上げるのはこちらのコメント。
「ゴーグルを取るように言われて25メートル泳いだら見えないので曲がってしまって相当な距離を泳いだのは辛かったし、どうして教師がそのような指導をしたのか釈然としなかったです」(愛知県 女性)
教員から「ゴーグルを取るように」指導され、結果的にかなり長い距離を泳ぐことになってしまったというエピソード。確かにゴーグル無しで25メートル泳ぐのは大変そうですね……。「釈然としなかった」という回答者のためにも、北さんに指導の背景を推察していただきました。
●武蔵野美術大学教授・北さんのコメント
北さん「前述のように、現在、ほぼ全ての学校でゴーグルの使用が認められています。以前に使用が認められていなかった理由として、現在よりも高価であったことや、ゴーグルがガラス製で脆弱であり安全性に疑問があったことなどの事情がありました。
コメントにある「ゴーグルを取るように言われて25メートル泳がされた指導」については、文部科学省の学習指導要領に「水中で目を開けられるようにする」などの学習目標が示されており(※3)、「水に慣れること」や「水難への対応」を見据えたことを意図してのことだったものと推測します」
「水難への対応を見据えたもの」と考えれば、確かに必要な指導にも思えますね。
夏の風物詩であり、誰もが通る道である「水泳」。だからこそ、人の数だけ個性的なエピソードが見つかるとも言えそうです。皆さんも「水泳の日」も合わせて、周りの方と水泳トークで盛りあがってみてはいかがでしょうか。
参考:
※1:公益財団法人日本学校保健会『学校における水泳プールの保健衛生管理』平成28年度改定
(https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_H290010/index_h5.html#%E8%A1%A8%E7%B4%99)
※2:日本眼科医会「プール後の洗眼とゴーグル使用についての学校保健部見解」
(http://yama-yaku.or.jp/gakuyaku/Q&A/sengan.pdf)
※3:文部科学省 「【体育編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_010.pdf)
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