【8月14日は水泳の日】「地獄のシャワー」って実際意味ある? プールにまつわるギモンを専門家に聞いた

8月14日は水泳の日。All About編集部は8月1~8日、全国の男女136人を対象に「水泳」についてのアンケート調査を実施しました。集まった回答から浮かんだ素朴なギモンを、専門家が解説します。

最近見ない?「目を洗う蛇口」

 
「地獄のシャワー」と同じくらい、回答者から嫌がられていた「目を洗う」ことについてはどうでしょうか。確かに筆者が小学生のころは専用の蛇口で目を洗っていました。しかし、編集部内では「我が家の子どもの学校では使っていないらしい」との声も。謎が深まるこちらについても、北さんに聞いてみました。
 

●武蔵野美術大学教授・北さんのコメント

北さん「公益財団法人日本学校保健会の『学校における水泳プールの保健衛生管理』(※1)によれば、現在、ほぼ全ての学校(小中高)では、ゴーグルの使用が認められており、洗眼設備の稼働率が低いことが示されています。
 

従来は、ゴーグルを着用することなく水泳の授業が行われており、洗眼設備が使用されていましたが、近年は推奨されていません。その背景には、水圧が高いと眼を傷つけてしまうことや、水道水での数十秒に及ぶ洗顔は塩素などにより、眼の防御機構を担っている涙液層や角結膜上皮に悪影響を及ぼす恐れがあるためです。
 

また、日本眼科医会も、2008年10月に「プールにはゴーグル使用が望ましい。またプール後の水道水による簡単な洗眼は行ってよいが、積極的に推奨されるものではない。」との見解を示しています。また、プール活動後は、防腐剤無添加の人工涙液による点眼や、目の周辺洗う対応も必要であることが述べられています(※2)」
 

どうやらゴーグルの普及が「目を洗う」文化を終わらせたようです。
 

>次ページ:「ゴーグルを取れ」はなぜ?

 

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