なぜ「外食」で「不祥事ドミノ」が多いのか
そうしたケースで特に多いのが「外食」である。なぜかというと、現場のモチベーション低下が不祥事につながりやすい業態だからだ。
では、どんな時に外食の現場のモチベーションが落ちるのか。筆者の経験では、業績が低迷しているところに低価格路線を打ち出した時だ。要するに、「苦しい時の安売り」という薄利多売戦略で、現場が疲弊してそれが相次ぐ不祥事につながっている。
分かりやすいのが、マクドナルドだ。
2014年7月、中国の食肉工場で期限切れのものを扱っていたことが発覚したことを受けて、日本マクドナルドでは一部店舗でチキンナゲットを販売停止した。この時、床に落ちた鶏肉をそのまま加工する不衛生な食肉工場の映像も流出して、ファンの「マック離れ」が進んだ。
そんな記憶も新しい中で2015年1月、青森の店舗でナゲットにビニールが混入していたのをきっかけに、大阪の店舗ではポテトから人間の「歯」が、埼玉の店舗ではハンバーガーから鉄くず、ナゲットからスポンジのかけらなど、異物混入が相次いで報じられてしまうのだ。
なぜこんな「不祥事ドミノ」が起きたのかというと、実はこの時期、マックの現場は疲弊していた。