年齢を重ね、以前よりできないことが増えてくると、つい「もうこんな歳だから」と口にしてしまうもの。しかし、その言葉で自ら可能性を閉ざし、体や脳を使う機会まで減らしてはいないでしょうか。
精神科医の和田秀樹さんによると、体も脳も若い頃より衰えていくのは事実ですが、使い続けることで、いくつになっても若さを保つことは可能だといいます。では、年齢による変化を受け入れながら、体と脳の若さを保つにはどうすればよいのでしょうか。
和田さんの著書『脳と心が一瞬で整うシンプル習慣 60歳から頭はどんどんよくなる!』(飛鳥新社)から一部抜粋し、60歳から心身を老けさせないための考え方を紹介します。
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体も脳も、使い続けることが大事
体にしても頭にしても、とにかく「使い続ける」ということを大切にしてほしいと思います。
残念ながら、体も脳も、若い頃に比べて衰えていくのは事実ですし、回復力も低下していきます。ですが、習慣的なトレーニングや鍛錬によって体や脳を鍛えたり、若さを保ったりすることは、いくつになってからでも可能なのです。
たとえば体力を示す指標の一つに、単位時間あたりに身体組織が酸素を取り込む最大量を示す「最大酸素摂取量」というものがあります。この数値は20代から80代にかけて減っていく数値ですが、毎日トレーニングを続ければ、80代になっても20~30代と同じレベルにこの数値を保つことができるのです。
つまり、シニアであっても、積極的に体を動かしたり、肉体的なトレーニングを行ったりすることで高い身体機能を維持することは可能だということです。実際に高齢者のスポーツ大会でも、多くのシニアが好成績を収めています。
受け身な生き方では脳が衰えてしまう
それは脳に関しても同じです。脳が楽をするような受け身な生き方をしていては、その機能は衰えていってしまうばかりですが、意欲的にその能力を使いこなそうとすれば、高齢になっても若々しさを保つことができます。
独居老人はよくないものだという風潮がありますが、そんなことはなく、一人暮らしをしている人ほど認知症の症状は進行しません。それは一人で家事をし、生活するなかで頭と体をよく使うからです。
使えば使うほどに、体も脳もそれに応えてくれますし、高いレベルを保持することができます。生活習慣や生き方を見直し、脳に刺激を与えるような過ごし方を心がけることで、何歳からでも頭をよくすることは可能なのです。
「今できること」を全力で生かす
若い世代に比べ、60歳ぐらいからは、個人の身体能力や脳の機能が大きく多様化していきます。つまり、個人の差が大きくなっていくということです。
そのなかで、いつまでも心身共に若々しいグループに属したいなと思うなら、自分が今持っているものを積極的に使いこなすというマインドが、これからの人生の質を大きく左右すると思います。
当然ながら、若かった頃に比べてできなくなったと感じることも多いでしょう。でもそれはごく自然で、当たり前のこと。ですから割り切って受け入れ、今できることに目を向けてください。
散歩ができる、家事ができる、人と話ができる、本が読める。そのように、自分が今持っているものにフォーカスし、それが今後も維持できるよう、大切にするのです。
できないことが増えていくのは当たり前。それを嘆くのではなく、自分が今できることを慈しみ、全力で生かす姿勢こそが、これからの人生を楽しく、賢く生きるための極意です。



