同じように頑張っているのに、差がつく理由
なぜ、同じように頑張っているのに、差がついていくのか。
かなりシンプルに言えば、流動性知能が求められる場所で、流動性知能が下がっているのに、同じやり方を続けているからだ。
若い頃、あなたが強かった理由の多くは、流動性知能によるものだった。情報を素早く吸収し、新しいスキルを短期間で習得し、変化に即座に対応できた。それが「できる人間」の証だった。
でも50代では、ルールが変わっている。
素早さより、深さが求められる。処理速度より、判断の質が問われる。知識を増やすことより、経験から生まれる洞察が価値を持つ。
その変化に気づかず、「もっと素早く動こう」「もっとインプットしよう」「若い頃のように吸収しよう」と頑張り続けると、どうなるか。
消耗する。自信を失う。「自分はもう通用しないのではないか」という感覚が、静かに忍び込んでくる。
あるいは逆に、「まだまだ若い者には負けない」と意地を張り、若い世代と同じ場所で張り合い続ける。
そして少しずつ、静かに取り残されていく。
どちらのパターンも、根本にあるのは同じ問題だ。流動性知能が主役だった時代の戦い方に頼り続けている。次のステージに進む必要があるのに、前の場所から降りられていない。
ただ誰も、この法則を教えてくれなかっただけなのだ。
成功した人ほど、変化への適応が遅れる
この変化がいちばん難しいのは、実は人生で成功してきた人だ。
理由は明快である。成功してきた人ほど、過去のやり方で結果を出してきた実績があるからだ。「自分はこのやり方でここまで来た」という確信がある。その自信が、変化への適応を遅らせる。
30代から結果を出し続け、40代で責任ある立場になった。部下はついてきた。採用も営業も、最後は自分の感覚と経験で乗り越えてきた。後輩から相談され、クライアントからも頼りにされるようになった。
こういう人ほど、「自分のやり方」への信頼が深い。当然だ。そのやり方で、実際に結果を出してきたのだから。
そしてある日、気づく。部下が自分の指示に前ほど動かなくなった。自分が得意だった領域を、AIが平然とこなし始めた。独立してみたら、会社の看板がなければ自分には何もなかったと気づいた。
突然の崩壊ではない。じわじわと、静かに、通じなくなっていく。



