「勝ち組・負け組はただの幻想だ」同窓会で心が揺れる人に和田秀樹が伝えたいこと

同窓会を前に「自分は負け組かもしれない」と迷う――そんな比較の思考はどこから来るのか。精神科医・和田秀樹氏が、他人との比較が不幸を生む理由と、自分で自分の幸せを決めるための考え方を解説します。(画像出典:PIXTA)

同窓会で心が揺れる人に和田秀樹が伝えたいこと
同窓会で心が揺れる人に和田秀樹が伝えたいこと(画像出典:PIXTA)
久しぶりの同窓会。会いたい気持ちはあるのに、「みじめな思いをするかもしれない」と出欠の返信ができない……そんな経験はありませんか?

私たちはいつの間にか、人生を「勝ち組」「負け組」という物差しで測り、他人との比較で自分の価値を決めてしまいがちです。

精神科医・和田秀樹氏は、『落ち込まない 考えすぎない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の中で、「他人との比較は不幸の始まり」だと指摘します。

今回は本書より一部抜粋・編集し、同窓会を前に揺れる一人の男性の例から、勝ち負けの呪縛を手放し、自分で自分の幸せを決める生き方について考えます。

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「同窓会に行きたくない……」自分は“負け組”だと悩む45歳男性

Fさんは、大学時代のサークル仲間から十数年ぶりの同窓会の案内をもらい、懐かしさに心躍りましたが、すぐに迷い始めます。

迷ってしまうのは、「会いたい気持ちはあるけれど、みじめな気持ちになるかもしれない」と思うからです。

地方都市在住のFさんは、現在45歳。独身で、交際をしている人はいません。地元の高校から東京の大学に進学、卒業後は都内の大手企業への就職を希望するも、内定が取れずに、親戚のツテを頼ってUターン就職しました。

現在勤めているのは社員30名の中小企業です。課長職にあるとはいえ、年収は大卒サラリーマンの全国平均より若干少ないくらいです。

十数年前の同窓会では独身だった友人も、次々と結婚し、毎年送られてくる家族写真入りの年賀状を、いつもちょっと複雑な心境で眺めています。

また、同窓生には、都内の有名企業に就職した人もいます。中には部長や役員に昇進している人もいれば、高収入を得て、都心に住んでいる人もいます。

「自分のような負け組は、昔のように打ち解けて話ができないかもしれない」

そんな思いにとらわれて、なかなか出欠の返事を出せなくなってしまったのです。

他人との比較は不幸の始まり。無意味な「勝ち負け」の呪縛

このように、ものごとをつい「勝ち負け」で考えてしまうことがあります。

しかし、勝ち負けと関係のないものまで、勝ち負けで判定して、優越感に浸ったり、敗北感で落ち込んだりするのはナンセンスです。

「他人との比較は、不幸の始まり」といわれますが、実にその通りです。Fさんは自分を負け組だと思っているようです。

Fさんに問いたいのは「あなたは今の生活には不満しかないのですか? 幸せではないのですか?」ということです。
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本当にFさんは「負け組」なのか?
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