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おカネを遣わない仕組みを作る
とはいえ、投資活動をまったく否定するわけではない。現実的に考えれば、おカネに余裕がある定年以降の人なら、投資におカネを回すのも選択肢の一つになりうる。ちなみに私は、郵便局で、日本の国債を購入した。先述の通り国債は、金融商品のなかで最も堅実な商品の一つだ。国が発行している債券だから、国家が滅亡しない限り、「紙クズ」になることはない。
一方、仮に国家が滅亡しても価値がゼロにならないのが金(ゴールド)。しかし、これは価格の変動があり、国債のように利回りが確定しているわけではない。
そのため私は、定年後の、なけなしのおカネを何らかの金融商品に投資するなら、いちばん安心な国債を勧める。
しかし結局、定年後の人たちが資産を増やす最も簡単な方法は、「遣わないこと」だろう。国債の利回りは、他のリスク商品に比べると高くないとはいえ、銀行預金と比べれば高い。増やすためではなく、遣わないための投資先としては、最適だと思う。 この書籍の執筆者;佐藤優(さとう まさる)プロフィール
1960年、東京都生まれ、同志社大学神学部卒、同志社大学大学院神学研究科修了(神学修士)。1985年に外務省入省。英国の陸軍語学学校でロシア語を学び、その後、モスクワの日本国大使館、東京の外務省国際情報局に勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、東京地検特捜部に逮捕、起訴され、無罪主張をし、争うも2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠』『自壊する帝国』『交渉術』などの作品がある。



