定年後に「幸せになれる人」と「苦しくなる人」の差。佐藤優氏が教える、人生の優先順位のつけ方

定年後に幸せになれる人と苦しくなる人の違いはどこにあるのか? 作家・佐藤優さんは、やることを増やすのではなく「人間関係や行動範囲をあえて絞る」ことだと説きます。60代からを後悔なく生きるための「人生の優先順位」の見つけ方を解説。(画像:PIXTA)

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生きる意味を知っている定年後の人たち

『自分をみつめる禅問答』(南直哉 著・角川ソフィア文庫)によると、カリスマ禅僧は「生きる意味は、あらかじめ存在しない、生きるなかから作られる」とする。すると、その条件下、定年後の人たちこそ「生きる意味」を知っているはずだ。

ただ、それぞれの人間が生きた時代によって、それに相応(ふさ)わしい生き方というものがある。現在、還暦を迎えた人たちは、これまでの同世代以上に、守りに徹する必要があるかもしれない。

具体的に言うならば、支出をできる限り少なくして、マイナスを減らしていく。60歳以降は収入が減り、貯えを取り崩していかざるを得ない。手元資金が増えないとしても、それが減るスピードを遅くすることはできる。

マイナスをなくすことが不可能だとすれば、その度合いを少なくするということに力点を置く。つまり「マイナスのミニマム化」。少なくとも、そう考えると、ずいぶん気持ちが楽になるはずだ。

それは動物で言えば、極力動かないことをモットーとするナマケモノの生存戦略に近い。ナマケモノはなるべく動かずに基礎代謝を減らし、エネルギー消費を極力抑えている。こうした逆転の発想で、これまでずっと生き延びてきたのだ。

「生きる意味」を知っている定年後の人たちは、精神的には豊かな老後を辿(たど)れるはずだ。そのため、あとは金銭的に守りの姿勢に入り、アルマジロのように守りに徹する……大丈夫、月に1000円程度で数千作もの映像を観られる時代、おカネに縛られる必要はない。
定年後の日本人は世界一の楽園を生きる (Hanada新書 010)
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この書籍の執筆者:佐藤優(さとう まさる)プロフィール
1960年、東京都生まれ、同志社大学神学部卒、同志社大学大学院神学研究科修了(神学修士)。1985年に外務省入省。英国の陸軍語学学校でロシア語を学び、その後、モスクワの日本国大使館、東京の外務省国際情報局に勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、東京地検特捜部に逮捕、起訴され、無罪主張をし、争うも2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠』『自壊する帝国』『交渉術』などの作品がある。
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