なぜK-POPアイドルとファンは「1位獲得」に必死になるのか? 音楽番組とチャートを巡る“生存戦略”

K-POPの音楽番組での「1位」は、グループの存続や予算配分に直結する死活問題です。ファンによる組織的な応援活動「スミン」の中身や、「1位」を巡って動くお金と構造など、シビアな生存戦略の裏側をひも解きます。※画像:PIXTA(画像はイメージ)

M世代の韓国エンタメウオッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし!

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K-POPアイドルとファンが「1位獲得」に必死になる理由とは ※画像:PIXTA(画像はイメージ)

#62のテーマは「音楽番組や音楽チャートの『1位』は、今も大事な指標なのか?」。あまり順位を出さない日本とは対照的に、韓国の音楽番組は「誰が今のトップか」を決める場。その結果がアーティストのキャリア、そして事務所の運営や予算計画にまで影響します。ファンによる組織的な応援活動「スミン」の中身から、「1位」を巡って動くお金と構造まで。シビアすぎるK-POP“1位争い”の裏側を読み解きます。

今でも音楽番組やチャートでの「1位」は大事な指標?

編集担当・矢野(以下、矢野)前回のSHINeeの新譜の話から、ふっと湧いた疑問についてお話ししたいです。K-POPシーンの基本に立ち戻るテーマなのですが、今でも音楽番組やチャートでの「1位」は大事な指標なのでしょうか?
 
K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):先に結論からお話ししますと、K-POPグループにとっての「1位」は大きな意味があります。最近ブレイクしているRESCENEは、発売から約2年の時を経て、過去に出した『LOVE ATTACK』という曲がリバイバルヒット。ついに韓国でMelonチャート1位を獲得しました。その際、メンバーが喜びの様子を配信したのですが、みんな大号泣。特に中小事務所所属のアイドルにとってチャート1位は悲願なのだと思います。

矢野:SNSでもあの号泣シーンはかなり拡散されていましたね。そこに至るまでの時間が報われた瞬間、という感じがしてグッときました。

ゆりこ:そして音楽番組の1位。こちらは、もしかしたら日本の人からするとあまりピンとこないかもしれません。なぜなら日本の音楽番組は長いこと「順位をつけないスタイル」が定着しているからです。でも韓国の音楽番組は、その週の「1位」を決めて大々的に発表します。特にKBSやSBS、MBCという韓国の地上波3局と音楽専門チャンネルMnetが放送する主要音楽番組での成績は重視されます。「1位を取ったか否か」でその後のキャリアが変わってくるといっても過言ではありません。
 
矢野:以前、1位を取ることで、その後の番組や音楽イベントの出演料が変わることもあると聞きました。
 
ゆりこ:そう、「ファンダムの力」を測る指標の1つになっています。身もふたもない話ですが、どのぐらいのお金や人数が動くのか?ということです。新人、若手グループであれば、チャートや音楽番組の順位は死活問題。音盤(CD)、音源(ストリーミング)などどんなチャートでも、1つの番組でもとりあえず「1位」を取っておきたいところです。今後の運営や、グループの存続にも直結しかねません。
 
矢野:ステータスでもあり、社外への営業ツールとして機能するということですね。

中小事務所所属のアイドルにとって「救いの場」となる番組も

ゆりこ:はい。だからこそ象徴的だったのが『THE SHOW』という音楽番組の存在です。SBS系列チャンネルが2011年から放送してきた番組で、最大の特徴は「その回に出演したアーティストの中だけで1位候補を決める」というルール。大手事務所の看板グループが出演しないことも多く、中小事務所所属のアイドルにとって、数少ない「救いの場」になっていました。

矢野:でもその番組、終わっちゃいましたよね? SNSで騒がれていたような。

ゆりこ:そうなんです。2025年11月11日の放送をもって「今年のシーズンは終了」と発表されたのですが、中小事務所のアイドルを応援する人の間ではかなりの阿鼻(あび)叫喚でした。それが、つい今年の6月に復活したんですよ。運営会社も変更、YouTubeチャンネル『THE K-POP』、TikTokライブでも同時に世界配信するという、かなり今っぽい体制に生まれ変わっています。

矢野:「希望の場」が、形を変えて戻ってきたということですね。

ゆりこ:そう思います。ただ、かなり一新されている印象で、今後どのような感じで続くのか今後の動きを見守りたいです。ここで話を戻しますが、音楽番組の1位は大手事務所に所属するグループとそのファンにとっても無視はできません。なぜなら社内の他グループとの予算配分や力の入れ具合に影響しかねないからです。

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大手所属グループも「1位」を無視できないワケ
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