続けるか続けないかはPTAで決められる
当時、PTAの副会長だった小沢さんと小野さんは、こう振り返ります。「『こどもの家をやめたい』という声は、実はもっと前からあったようです。5年前のPTA資料を見ていたら、各校の校外委員さんたちの会議の議事録が出てきて、『やめたい』とか『続けるのはもう無理』といった声が、いろんな学校からあがっていた。でも、そこから何も変わっていませんでした。
たぶん、みんな『PTA独自の判断ではやめられない』と思っていたんでしょうね。私たちも調べるまでは、市の事業だと思っていたので。でも実際は、市は保険のとりまとめや業務の手伝いをしてくれているだけで、続けるか続けないかを決められるのは、それぞれのPTAなんです」(小沢さん)
「以前、他校の保護者が教育委員会に『PTAがこどもの家をやめたらどうなりますか?』と質問したら、『PTAがやらなくても、各地区の健全育成会や自治体がやる例もある。そちらと相談してほしい』と言われ、『やめていい』とは言われませんでした。そういうのも、やめづらい原因だったかもしれません。
実際、私たちが『こどもの家』の終了を決めたとき、教育委員会から『なんとかしてCS(地域学校協働活動)に引き継ぐまで続けてもらえないか』と言われました。でも、校外委員会も廃止に賛成、保護者からも反対がないなかで続けることはできないとお伝えしました」(同PTA元副会長・小野佳奈子さん)
登録家庭との交流が難しい今の時代にできること
北ノ台小PTAが「こどもの家」の事業を終了したのは、2024年2月。今の役員さんたちに聞いたところ、その後、特に問題は起きていないといいます。「昔は『こどもの家』もよかったと思うんです。校外委員の過去の記録を見ると、ハロウィンのときに子どもが登録しているおうちをまわるイベントをやったりしている。そんなふうに日常からの交流があれば、子どもが駆け込める可能性もあったかもしれません。でも今の時代、そもそも日中に人がいるご家庭が少ないですし、私たちも安全性について責任は持てないので、難しいですよね」(小沢さん)
犯罪の抑止力になるよう、「見守りプレート」を多くのおうちに掲示してもらえたら、と小沢さん。なお、現在の「見守りプレート」は暫定的に作ったものなので、もっと丈夫なプレートを作ってもらえるよう、市に頼んでいるということです。
この記事の執筆者:
大塚 玲子
ノンフィクションライター
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。新刊は『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』、ほか著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』など。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。https://ohjimsho.com/
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