2026年W杯の前に知るべき、皇室外交の凄み。102年ぶりの露訪問、久子さまが「青い服」に込めた真意

サッカーW杯の熱狂が近づき、再び世界がサッカーに沸こうとしている今、改めて振り返りたい「伝説の皇室外交」。高円宮久子さまによる102年ぶりとなる皇族のロシア訪問から、世界を魅了する「日本の人間力」の正体をひも解きます。(画像出典:AP/アフロ)

W杯の舞台で見えた国際関係

これより前の6月14日、首都モスクワの「ルジニキスタジアム」でサッカーW杯の開幕戦、ロシア対サウジアラビアの試合が行われた。

貴賓席の最前列中央で、試合当事国のプーチン大統領とムハンマド皇太子が並んで観戦し、周りにはW杯開催に祝意を表するため駆け付けたロシアと関係の深い国の首脳らが顔を揃えた。W杯に参加しない中国の孫春蘭副首相、モルドバのドドン大統領らの顔もあった。

しかし欧米諸国の多くは開幕戦に首脳を送らなかった。

この年の3月、英国でロシアの元諜報部員とその娘が、ロシアが保有する化学兵器ノビチョクで昏睡状態に陥り、これをロシアの仕業とみた欧米諸国は開幕戦をボイコットしたのだ。

ただそうした国も自国チームの試合になると、首脳が応援に駆け付けた。自国世論がW杯に強い関心を見せている以上、これは欠かせない。

韓国の文在寅大統領、スイスのベルセ大統領、マクロン仏大統領、クロアチアのグラバルキタロビッチ大統領……。

しかし試合が終わると、皆とんぼ返りした。

W杯観戦と友好親善

久子妃はそうした国々と一線を引き、日本代表チームの応援も、地元との友好も、というスタンスをとった。

実際、訪れた3カ所で、試合の前後には美術館やロシア正教会、イスラム寺院、スポーツ施設などを精力的に回り、人々と交流した。地方局のRTテレビは久子妃がロシア入りした翌19日、こう報じた。

「高円宮久子妃殿下のワールドカップの視察は日本代表を奮い立たせて勝利をもたらすと同時に、ロシアの政治家に対しても、日本との関係強化を確信させた」

「ロシア政府要人との会談は予定されていないが、オゼロフ連邦院議員(対日議員グループ代表)は『妃殿下のご訪問は、とりわけ本年が露日交流年であるとの点からも、二国間関係の強化に資する』と考えている」

「シュレポフ国家院議員(対日議員グループ代表)は『妃殿下は日本代表を応援するために来られたが、同時に露日関係を発展させるための善意の一歩である』と述べた」

サランスク市で久子妃はモルドビア共和国の知事など要人たちに迎えられた。

久子妃は青のジャケットとスカート姿。「サムライブルー」に合わせたのだろうが、ブルーはロシア国旗の色の一つでもあり、ロシアのメディアは「日本チームとロシアの国旗を念頭においた服の色の選択」と伝えた。

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存在感大きい久子妃。女性皇族が担う役割とは?
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