実は皇室が日本の中東外交も支えている? 「菊の御紋の威光は絶大」サウジ国王が敬う“飾らない気品”

世界情勢が緊迫する中、改めて注目される日本の「皇室」の存在感。とりわけ中東の王族たちから特別な畏敬の念を抱かれるのは、なぜなのでしょうか。皇室が静かに、しかし力強く支える外交の舞台裏をひも解きます。(画像出典:ロイター/アフロ)

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SNSで広がった“シンプルな美しさ”への驚き

フェイスブックとツイッターの声──

この写真を見ると嬉しく感じる。サウジアラビアの副皇太子が、シルクやジュエリーなどの派手な装飾に頼らずとも、とても穏やかな気持ちで対談されていることが分かるからだ(サウジアラビア)

本当に素晴らしい場所だ。うるさくないシンプルな作りで、大事な部分一点にまとめられている。日本らしいよ!(サウジアラビア)

日本の天皇陛下と最高のミニマリズムの形(カタール)

これこそが真のミニマリズムだ!(マレーシア)

金も装飾もなく、衝撃的な一枚だ。この謙虚さが美しいのだろう(米国)

写真は最低限のものしか置かれていないにもかかわらず、部屋から美しさや気品があふれている(モロッコ)

ミニマリズムとは、華美を排したシンプルさに真の美しさを見出す装飾やデザイン、またそれに基づく考え方、生き方を指す。

両陛下の私邸である御所もそうだが、皇居・宮殿も、そこに足を踏み入れた外国の賓客の多くが、そのたたずまいに感嘆する。

装飾を排した空間に見る日本の精神性

装飾を排し、趣味のいい花瓶がただ一つ、広い空間に置かれているだけ。これでもかと装飾を重ねていく欧米のインテリアとは対極の引き算の美だ。ここに日本の精神性を見る賓客は多い。

先の奥田紀宏氏は副皇太子の訪日に同行し、サウジに帰任して謁見の感想がSNSで出回っているのに気が付いた。「写真がコメントとともにSNSで次々とリツイートされ、サウジ国内で拡散していました」と語る。

同氏は同国を含めた湾岸諸国の日本や皇室への親近感の底流には、日本人はあまり気付かないことだが「自分たちも同じアジアの人間」という感情があると指摘する。

加えて、日本人が欧米のような上から目線ではなく、対等に見てくれることへの好感もある。

だれに対しても等しく平等に接遇することを旨とする皇室は、アラブの国々にとって日本そのものを象徴しているのだろう。

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この書籍の執筆者:西川 恵 プロフィール
1947(昭和22)年長崎県生まれ。71年毎日新聞社入社。テヘラン、パリ、ローマの各支局、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。仏国家功労勲章シュヴァリエ受章。『エリゼ宮の食卓』(新潮社)でサントリー学芸賞。『ワインと外交』(同)、『知られざる皇室外交』(KADOKAWA)など著書多数。

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