実は皇室が日本の中東外交も支えている? 「菊の御紋の威光は絶大」サウジ国王が敬う“飾らない気品”

世界情勢が緊迫する中、改めて注目される日本の「皇室」の存在感。とりわけ中東の王族たちから特別な畏敬の念を抱かれるのは、なぜなのでしょうか。皇室が静かに、しかし力強く支える外交の舞台裏をひも解きます。(画像出典:ロイター/アフロ)

「菊の御紋の威光」中東で語られる皇室の存在感

奥田紀宏氏は駐サウジ大使を2015年から2017年末まで務めたが、サウジの王族が日本を訪問するときは、なるべく徳仁皇太子に空港に出迎えてもらえるよう外務省を通じて宮内庁に要望していた。

皇位継承順位第一位の皇太子の出迎えは「自分たちを手厚く遇してくれている」との証になるからだ。奥田氏の要望は聞き入れられたこともあれば、皇太子の都合がつかなかったこともある。

実はサウジだけでなく、アラブの王室が日本の皇室を尊敬していることは、アラブに通じた人の共通認識である。

1970年代の石油危機のとき、大協石油(いまのコスモ石油)の中山善郎社長は、アラブ諸国から石油の安定供給を受けるには「皇室外交があれば最高」「菊の御紋の威光はアラブの王様に絶大」と語っている。

世界で話題となった“ある一枚の写真”

サウジのムハンマド皇太子はまだ副皇太子だった2016年8~9月、公式実務訪問賓客として日本を訪れ、9月1日に皇居・御所で天皇に謁見した。このとき二人が向かい合って話している写真が大きな話題となった。

天皇への謁見は皇居・御所の一室で行われた。ここで天皇が「東日本大震災の際にお見舞いをいただいたことに感謝します」と述べると、副皇太子は「それは我々の義務です。日本は極めて重要なパートナーなので、困っているときにはそばに寄り添うのが真の友人です」と語った。

この時の写真がフェイスブックやツイッターなどSNSを通じて世界で大きな反響を呼んだ。

何の飾り気もない部屋で、装飾といえば草花を活けた花瓶が一つあるだけ。障子から明かりが差し込む凜とした気品ある空間の中で、天皇と副皇太子が向かい合い、言葉を交わしている。

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なぜ世界は驚いた? “飾らない空間”に宿る美しさ
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