『教場』シリーズで見せた、木村拓哉の新境地となる演技
テレビ放送作は高視聴率を記録し、配信・映画でもヒットとなった『教場』シリーズですが、何といっても注目すべきは木村さんの演技力の高さです。木村さんといえば、これまで数多くの恋愛ドラマで高視聴率を生み出し、近年では映画化もされた『グランメゾン東京』シリーズ(TBS系)が大ヒットを記録。どの作品でも表情をコロコロと変え、個性的なセリフの言い回しやアクションが注目されてきた俳優でした。 そんな木村さんが、新境地となる表現力を見せたのが『教場』シリーズで演じた風間です。風間は、シリーズ通じて最後までまったく感情を表に出さないキャラクターで、アクションも少ない不気味な人物です。教官になる前を描いた『風間公親-教場0-』では動きのあるシーンも多かったですが、基本的には静かに生徒たちを追い込んでいく姿ばかりが描かれました。 風間の私生活は明かされず、警察学校の至る所に神出鬼没に出現。生徒に威圧的な態度を取ることが多く、コンプライアンスが厳しい時代に逆行した鬼教官です。そんな不気味でむちゃくちゃな行動を起こす風間を、木村さんは魅力あるキャラクターに仕上げました。
木村拓哉演じる風間が魅力的な理由
木村さん演じる風間の魅力は、圧倒的なオーラを放っているところです。シリーズを通じて、木村さんは異常なほどに姿勢がよく、美しい所作で完璧主義の風間を描きました。アクションや喜怒哀楽が少ない風間ですが、セリフの強弱や間、目を使った微妙な演技で怒りや優しさなどを表現。白髪まじりの髪形で右目が義眼というビジュアルを含め、警察学校では神のような存在である風間を作り出しました。 さらに、映画版ではクライマックスで大ピンチを迎えるのですが、そのシーンでも毅然(きぜん)とした表情と立ち振る舞いが完璧でした。壮大なネタバレになるので詳細は書きませんが、クライマックスでの風間の演技は鳥肌が立つほど素晴らしいものです。木村さんの演技を見るだけでも劇場に行く価値があり、新たに代表作が生まれたといえるでしょう。
今回、『教場 Reunion』と『教場 Requiem』で完結した『教場』シリーズですが、まだ続いてほしいと感じさせるほど完成度の高い作品でした。『教場 Requiem』を見ていない人は、ぜひ映画館の大スクリーンで木村さんの繊細な演技にも注目してください。
この記事の執筆者:
ゆるま 小林
元テレビ局スタッフ
長年に渡ってテレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。
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