お小遣いは定額制が主流、ただし「都度渡す」家庭も増加
お小遣いを考えるうえで、金額と同じくらい悩ましいのが「どのように渡すか」という点です。毎月決まった金額を渡す定額制は、管理しやすく、子どもにとっても分かりやすい方法として多くの家庭で採用されています。
今回の調査でも、「月ごとに決まった金額のみ渡している」と回答した家庭は51%と、依然として最多です。
ただし、この割合は前回調査(60%)から減少、「必要なときに必要な金額のみ」(23%)という柔軟な渡し方が増えていました。
「毎月決まった金額+必要に応じて追加」と合わせると、約半数の家庭が定額制以外、もしくは併用型を選択しています。
その背景には、中学生特有の生活変化があります。中学生になると、友人との外出など、「想定外の出費」が発生しやすくなり、月ごとの支出が一定ではなくなります。
そのため、「基本額は決めるが、用途がはっきりしているものは別で渡す」「必要なときは相談のうえで追加する」といった方法がとられていると考えられます。
「追加で渡すお金」は何に使われている?
では、定額以外に「必要なときに渡すお金」は、どのような用途に使われているのでしょうか。調査の結果を見ると、最も多かったのは「友達と出かける時の遊び代」(78.7%)でした。
次いで多かったのが、「文房具など学用品の購入代」(70.2%)、「交通費」(63.8%)です。これらはいずれも、日常生活や学校生活に欠かせない支出で、お小遣いで賄うのか、別途渡すのかを家庭で相談するケースが多い項目といえるでしょう。
特に注目したいのが、「参考書など勉強に必要な書籍代」(55.3%)が、前回調査(31.6%)から大きく増えている点です。この結果からは、学習に関わる費用については「お小遣いとは切り分けて考える」家庭が増えていることが読み取れます。
娯楽費と学習費を分けることで、子どもが自由に使える範囲と保護者が管理・負担する範囲を明確にしようとする意識が、各家庭で強まっていると言えそうです。
物価高はお小遣いの「額」より「使い方」に影響している
今回の調査で特徴的だったのは、「お小遣いの金額そのものは変えていない」と回答する家庭が多い一方で、「物価高の影響を感じている」という家庭が大多数を占めたことです。
平均額こそ前回とほぼ変わりませんが、中身を見てみると「お小遣いの目減り」が深刻です。
保護者からは、「同じ金額で買えるものが少なくなった」「子ども自身が値上がりを実感している」といった声が多く寄せられました。額面は据え置きでも、実際にはやりくりが厳しくなっている現状が浮き彫りになっています。
とはいえ、すぐにお小遣いの金額をあげるのではなく、まずは節約の方法を子どもに教えるなどして工夫で対応する声も多く上がっていました。
影響1. 同じ金額で買える量が減った
「昔の5000円と今の5000円では価値が違うので、お菓子を買うのも外食するのも個数や回数が減ったと思う」(とうしかさん 埼玉県 中1男子 保護者)
「買えるものが少なくなってしまい、ストレスやフラストレーションが溜まってしまう。」(あたさん 東京都 中3男子 保護者)
「ガチャガチャが好きなので、ガチャガチャの1回あたりの価格は驚くような金額になっていると思う。また、一番くじなどの価格も子供がやるような値段ではないように感じる。」 (真一さん 富山県 中1女子 保護者)
これらのコメントからは、子どもが日常的な買い物を通して値上がりを実感している様子がうかがえます。
お小遣いの使用用途してよくある、お菓子・軽食・文房具・ガチャガチャといった「少額だが頻度の高い支出」は、値上がりの影響を受けやすく、子どもの体感として残りやすい項目です。
影響2. 節約の工夫を教えるようになった
「物価高の認識を持つように伝えて、本当に必要か見極めてから買うように教えている。」 (なおさん 埼玉県 中2男子 保護者)
「色々なものが値上がりしているので、その都度、物の値段を調べさせて、金額を決めている。」 (のりのりさん 京都府 中3女子 保護者)
「数年前と比べて同じ金額でも買える量が少なくなっているのは理解してます。家計の収入はあまり上がっていないので不要な物を買わないようにとか、安い商品で済ませるなど節約するようすすめています。」 (みーちゃんさん 福岡県 中3女子 保護者)
物価高への対応として多かったのは「お小遣い額を増やす」ことではなく、使い方の工夫でした。これらの声からは、“金銭感覚を育てる機会”として物価高を捉えている様子もうかがえました。
物価高は、家計にとっては負担である一方、中学生にとっては「限られたお金をどう使うか」を学ぶ、現実的な教材にもなっているようです。



