ヒナタカの雑食系映画論 第212回

『ミルキー☆サブウェイ』は劇場版の追加シーンも重要!『超かぐや姫!』との共通点、愛されるアニメの「正解」とは

2月6日公開の『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』の魅力を解説すると共に、直近で大ヒットとなった『超かぐや姫!』の共通点も挙げてみましょう。「超大バズり」を超えて「ずっと愛される」アニメの「正解」がそこにあったと思うのです。(画像出典: (C)亀山陽平/タイタン工業)

ミルキーサブウェイ
『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』 2026年2月6日(金)公開 配給:バンダイナムコフィルムワークス (C)亀山陽平/タイタン工業
2月6日より『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』が劇場公開されます。同作は公式YouTubeチャンネル登録者数が100万人を突破し、総再生回数は驚異の2億回以上を記録したショートアニメの劇場版にして、新たなシーンが追加された再編集版となっています。

上映時間が短めだけど、きっと満足できる作品に

実際に本編を見たところ、『ミルキー☆サブウェイ』は「映画」として一気に見てこそ、その密度と完成度の高さが、よりはっきりと分かる作品でした。上映時間は47分と短めではありますが、初めて見る人も、ファンもきっと満足できるでしょう。なお、鑑賞料金は一般1500円(税込)と良心的です。

※劇場情報ページによると、一般料金以外は各映画館の料金設定に準じます(各種割引、サービスデイ等も含む)とのこと

さらに、直近で同じく「超大バズり」をしたことはもちろん、「この先もずっと愛される」ことが確定的なコンテンツとなっているのが、Netflixで配信中のアニメ映画『超かぐや姫!』。2月20日より1週間限定での劇場公開も決定し、さらに盛り上がっています。
超かぐや姫
『超かぐや姫!』 Netflix にて世界独占配信中 (C)コロリド・ツインエンジンパートナーズ
どちらも「ポップでキュート」だからこそのキャッチーさがあり、ほかにも共通点が多く見受けられました。そこには、作品として素晴らしくても、商業的に苦戦することも多かった「オリジナル企画のアニメ」における「正解」もあったと思うのです。(後述する通り、『超かぐや姫!』は物語のベースが『竹取物語』で、『ミルキー☆サブウェイ』は短編作品の「続編」であり、どちらも完全なオリジナル作品と言うには語弊があるかもしれませんが)。まずは2作品の特徴から記していきましょう。

『ミルキー☆サブウェイ』は「ゆるいけど計算されている」群像劇×密室劇!

『ミルキー☆サブウェイ』の内容を簡単にいえば、クセ強キャラたちの群像劇×密室劇。警察に捕まった6人の男女が、奉仕活動のため惑星間走行列車の清掃を命じられるものの、その列車が突如暴走して閉じ込められてしまう……という切迫したシチュエーションのはずなのですが、実際は「ゆるい」雰囲気に満ちています。

キャラクターそれぞれが「あ〜めんどくせ〜」とか「それはクソっすよねぇ」などと口走る、だいたいがやる気がなさそうだったり、いい加減にも思える、そもそも軽犯罪を犯していて、決して褒められたものではない……はずなのですが、そうした卑近な言い回しや会話こそが楽しいですし、その後のトラブルを解決する過程で、それぞれの「違う面」が見えてきて、なんだか愛おしくなってくるのです。
ミルキーサブウェイ
(C)亀山陽平/タイタン工業
例えば、実質的な主人公である強化人間の「チハル」は「お人よしでマイペース」で、その腐れ縁の友達であるサイボーグの「マキナ」は「かなりガサツで少し好戦的」な性格。初めこそ2人は軽めの口ゲンカをしてしまうのですが、なんだかんだでノリは似ていて良いコンビにも見えてきます。

そのほかのキャラもまた誰かとのバディ(コンビ)であり、「ちょっと違うけど似た者同士」であることが重要です。それぞれの関係性がユニークでほほ笑ましいですし、ほかのバディと関わることでどう変わっていくかにも注目してほしいところ。それぞれの「連携」やアクション、意外な伏線が回収されるアツい展開にも期待してほしいですし、それでこそ「ゆるいけど計算された」内容であることも分かるはずです。
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