ヒナタカの雑食系映画論 第209回

映画『MERCY/マーシー AI裁判』がAI時代の「過ち」を鋭く描いているワケ。3つの魅力を解説

映画『MERCY/マーシー AI裁判』は現代のAIへの向き合い方に、重要な知見を与えてくれる快作でした。その3つの魅力を解説しましょう。

1月30日公開の『ランニング・マン』との共通点も

さらに、この『マーシー』と併せて見てほしいのは、来週末1月30日から公開される『ランニング・マン』です。「本当に命を狙われる『逃走中』」とシンプルに説明できる「デスゲームもの」でありつつも、「荒唐無稽な設定のようで現実の社会の延長線上にある問題を描いている」ことが『マーシー』と共通しているのです。
原作はスティーヴン・キングが1982年に発表した小説で、1987年にもアーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化もされていましたが、描かれている「フェイクニュース」を筆頭とした問題は、2026年の今ではより深刻化していると思えるものでした。

車の自動運転が当たり前になる近未来な設定なのに、ビデオテープが登場するといった、良い意味での「レトロフューチャー」な設定やビジュアルも良いアクセント。『トップガン マーヴェリック』や『ツイスターズ』や「うさんくさいけど良いやつ」役に定評があるグレン・パウエルの配役が絶妙で、『マーシー』とは「キレやすいパパが主人公」であることもまた共通していたのです。

こうした「万人向けのエンタメと鋭い社会性を両立したハリウッドの大作アクション映画」が立て続けに見られるというのはうれしい限り。ぜひぜひ、どちらも映画館でご覧ください。
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