3人の娘を桜蔭をはじめとする難関校合格へ導いた井上晴美さんは、「テスト前こそ、親は注意を封印することが大切」だと語ります。
さらに、テストを終えて答案を持ち帰ってきたあとの対応次第で、子どもの学力の伸び方は大きく変わるといいます。
テストを「いやなもの」にせず、次につなげていくために、親はどのように関わればいいのか。井上さんの著書『中学受験で子どもを壊さない!合格へ導く「5つの約束」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、テスト前後に親が意識したい習慣を抜粋してご紹介します。
テスト前こそ注意は封印、「いつもどおり」で実力を出す
テストが近くなると、親子げんかが増えるというご家庭の話をよく聞きます。子どもより親のほうが「少しでもいい点を取ってほしい!」と気合いを入れすぎて、「あれができてない」「ここも不安」と焦りが募っていく。その結果、つい感情的になって子どもとぶつかってしまうのです。
こうした親の言動は、子どもを思うがゆえについとってしまうものですよね。
けれどもそのとき、子どもはどんな気持ちでしょうか?
「怒られてばかり」「自分はダメなんだ」と悲しくなったり、親の期待に応えられないもどかしさで胸がいっぱいになったりしているかもしれません。そんな心の状態では、テスト前のラストスパートが充実したものにはならないでしょう。
「計算ミスしないでね」がミスを招く?
特に気をつけたほうがいいのは、親によるテスト直前の注意です。子どもの弱点を知っているからこそ、「計算ミスしないようにね」「答えはきれいな字で書くのよ」といった注意を直前になって伝えてしまう。
すると素直な子どもほど、親から受けた直前の注意を忠実に守ろうとします。その結果、「計算ミスをしない」「きれいな字で」と、その点ばかりに気を取られ、思考力やひらめきが発揮できなくなってしまうのです。
「本番で力を出し切れるように」という願いから、親が最後のアドバイスをしたくなる気持ちはもっともなもの。ですが、そうした注意が子どもの足を引っ張ってしまうこともあるのです。
テストの本番では、ただでさえ緊張して普段の実力を出しにくくなります。それなのに、本番直前で親に注意されると緊張感はさらに高まります。
だからこそテストには、できる限りいつもどおりのスタイルで臨めるようにしてあげましょう。
親は、これまでの子どものがんばりを信じて注意をせずに送り出す。そのほうが子どもは、自分の力を発揮しやすくなるのです。
ポイント
・テスト前は、親が焦ることで子どもに余計なプレッシャーをかけてしまうことも・テスト直前の注意は逆効果。注意に気を取られて本来の実力を出せなくなる
・テスト本番に「いつもどおり」で臨めるよう、子どもを信じることが大切



