宿題はやっている。塾にも通っている。それでも成績が思うように伸びないとしたら、原因は本当に“学力”だけなのでしょうか。
3人の娘を桜蔭をはじめとする難関校合格へ導いた井上晴美さんは、「中学受験は親の関わり方次第で、苦しい時間にも成長の時間にもなる」と語ります。
成績と親子関係の分かれ道はどこにあるのか。井上さんの著書『中学受験で子どもを壊さない!合格へ導く「5つの約束」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、今すぐ見直したい親のスタンスを抜粋して紹介します。
約束1. 「失敗OK」の安全基地であり続けよう
どれだけ努力をしていても、誰にだって失敗はあるものです。受験勉強をがんばっている子どもも同じ。もちろん、大人だってそうですよね。子どもが失敗してしまったとき、「大丈夫、次があるよ」と言えるかどうか。心にゆとりをもって、おおらかに受け止められるかどうか。それによって、子どものチャレンジ心の育ち方が変わってきます。
失敗したときに「どうしてできないの?」「いつも失敗しちゃってダメな子だね」と親に責められていると、子どもは挑戦をおそれるようになります。
それに対して、失敗しても「大丈夫!」と受け止めてもらえる安心感があれば、こわがることなく挑戦できるようになります。失敗を糧にして、さらなる成長につなげられるようになっていくのです。
子どもは、失敗を通じてさまざまなことを学んでいきます。つまり失敗は、学びのチャンスでもあるのです。ですから、いつでもどんなときでも親は、子どものすべてを受け止める安全基地であり続けましょう。
失敗も成功も、あらゆることを否定せずに認めてくれる親の存在があれば、子どもはおそれずに前に進むことができるのです。
約束2. 「幼さ」を焦らず、生活習慣で成長させよう
「子どもの成績を上げたい。そのために少しでも、勉強時間を増やしてあげたい」そう考えて、子どもの身のまわりのお世話をすべて引き受けていませんか?学校や塾の持ち物の準備や片づけ、部屋のそうじ、勉強時間の管理など、生活の中のあらゆるタスクを、親が子どものかわりにこなす。
こうして子どものために環境を整えたつもりで、「あなたは勉強だけしていればいいのよ」と伝えているとしたら、その習慣は見直したほうがいいでしょう。
親のお世話によって勉強時間が増えれば、一時的には成績が上がるかもしれません。
しかし、自分でできる生活習慣が身につかなければ、子どもの精神面はいつまでも幼いまま。自分で考える力や自立心が育ちにくくなり、自分の意志で勉強を続けていくことが難しくなってしまいます。
まずは、生活の中の「当たり前」を自分でできるように育てていきましょう。そうすることで精神面が育ち、「自分でできる」という土台が確かなものになってこそ、学力も人間力も高く積み上げていくことができるのです。



