老後資金2000万円では足りない? 愛犬家が「11月1日」に考えたい、ペットの終生費用の相場

自分亡きあとも、愛犬には幸せな一生を送ってほしいものです。そのためにはお金がいくら必要なのでしょうか。『私が死んだあとも愛する犬を守る本』から一部抜粋・編集してご紹介します。(画像出典:PIXTA)

頼れる人がいない場合は老犬ホームや愛護団体を探す

「愛犬を託せる人を見つけたいけれど、親戚は縁遠いし、友人・知人にも適任者はいない」という場合もあるでしょう。

個人的に頼れる人がいない飼い主さんのための最後の砦となるのが老犬ホームや愛護団体です。老犬ホームは営利組織で、愛護団体は非営利組織。どちらもいま全国にあります。

愛護団体は犬を引き取ったあとよい里親さんが現れれば譲渡も行うところが多く、そのぶん老犬ホームより費用も抑えられているところが多いようです。
 
ただ、もちろんどこでもよいわけではありません。適当に選ぶと愛犬が不幸な目に遭います。

なぜなら悪徳業者もいるからです。保護犬や保護猫をたくさん抱えた愛護団体のスタッフが影では動物を虐待していたという事件もありました。保護犬を過剰に抱え込み、過密状態でスタッフの目が行き届かず、体調を崩している犬が大勢いたところもあります。
 
これはご存じの方もいると思いますが、ペット販売業界には悪徳業者もいます。母犬を狭いケージに閉じ込めて子犬を次から次へと産ませる通称「パピーミル」(子犬工場)と呼ばれる業者です。

獣医師による帝王切開が必要な犬種でも費用削減のために自分でおなかを切って子犬を取り出す。母犬は散歩もさせず、病気になっても放っておくから体はボロボロ。足腰が弱ってまともに立てないし、当然早死にします。

かわいらしい子犬や子猫をたくさん売るためにはどんなことでもやる。そんな恐ろしいことができる人間がいるのです。

動物福祉後進国、日本の現状

そんなひどいブリーダーはすぐに逮捕してしまえばいいのでは? と思いますよね。

しかし実際は業務停止命令にはなかなか至りません。パピーミルの現場は関係者以外開かれていないからです。自治体の職員が現場を頻繁にチェックすることはできませんし、違反がわかったとしても指導止まりで、逮捕にはなかなか至りません。

日本では動物関係の法的取り締まりがゆるく、そのために悪徳業者が横行しているのが実情。日本は先進国なのに動物福祉が著しく遅れているのです。
 
そして、同じようなことが動物愛護団体にも起きています。

はじめは善意でスタートした団体が、保護動物を抱え込みすぎて多頭飼育崩壊のようになってしまうところもあれば、はじめからお金目的で愛護団体を騙るところもあるのでしょう。

「動物愛護」「保護犬」そんな言葉で寄付金が集まる世の中です。あくどい人間が金儲けのために目をつけてもしかたありません。愛護団体や老犬ホームに対していたずらに不信感を植えつもりはありませんが、そういった現実があることをどうぞ知っておいてください。

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善良な団体かどうかの見極めポイントは?
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