ヒナタカの雑食系映画論 第178回

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』を見る前に知ってほしい5つのこと。レトロかつ“新しい”魅力

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の5つの魅力を語りましょう!「予備知識ゼロでOK(でも今後のシリーズを楽しむための重要作)」かつ「レトロな魅力がたっぷり」であり「『スーパーマン』に続き古典的なヒーローの映画を今作る意義を感じられる」作品だったのです。(※画像出典:(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.)

3:予習は不要! そしてシリーズはしばらく“おあずけ”に?

今回の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は、同一の世界観でのヒーローたちの活躍を描くシリーズマーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)の1つにして、「フェーズ6」の始まりとなる作品です。

しかしながら、キャラクターのほとんどがシリーズで初登場であり、物語上でも他作品とのつながりがごくわずかな(ここはMCUファンにとってはむしろ不満?)ため、他作品を見ていなくてもまったく問題ないと断言しておきます。

ちなみに、今回の舞台である地球は「アース828(8月28日は原作者の1人であるジャック・カービーの誕生日)」であり、「別の地球」での物語であることも示唆されています。だからこそほかの作品とのつながりが少なくなっているといえますし、その反面、今後にほかのMCU作品とどのように「合流」するかも気になるところです。
F4
(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
その上、今作の主軸は「惑星を食い尽くす規格外の敵に立ち向かう」といったシンプルなもので、前述したレトロなルックや個性的なキャラの魅力もすぐに理解でき、かなり敷居の低い作品になっています。

ただ、現在公開中の『スーパーマン』もそうでしたが、ヒーローが誕生するまでの過程はごく短い説明(映像)だけでサラッと示される程度であり、「これまでも映画で描かれてきた部分はスパッと飛ばす」という割り切った作りであることも前置きしておきます。それもまた、後述する物語を描くためには、正しい選択だと思えました。
F4
(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
また、本作が2026年12月18日に日米同時公開となる『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』へと「続く」作品として、シリーズで重要な位置付けとなることはほぼ確定的です。直近の『サンダーボルツ*』も併せて見ておけば、今後のシリーズの楽しみもさらに増すことでしょう。

ちなみに、2025年のMCU映画は『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』、『サンダーボルツ*』、そして本作と、いずれも3カ月も空かずに公開されていました。しかし、その後は2026年夏公開の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』まで、約1年間も新作が劇場公開されないという、なかなか極端なことになっていたりします。

MCUを映画館で見るのはしばらく“おあずけ”になるので、その意味でもぜひ劇場に駆けつけてほしいところです。

4:『スーパーマン』に続く、「今、作られる意義がある」ヒーロー映画に

これまた公開中の『スーパーマン』と共通している要素として、善意で行動しているはずのヒーローが、市井の人々から糾弾されてしまうという物語の流れがあります。
F4
(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
具体的な描写はここでは伏せておきますが、自分たちの平和が脅かされるという恐怖から、本来は筋違いの人へ(または理由で)悪意をぶつけてしまうという問題は、残念ながら今の日本にも現在進行形で存在しているものです。

そして、スーパーパワーを持つヒーローに限らず、世界をより良い方向へと変えて行けるという希望も、劇中でははっきり提示されていました。

さらには、今回の敵である「シルバーサーファー」の言動と、それに対してヒーローチームの1人である「ヒューマン・トーチ」の対応や返答は、分断や差別がはびこる今の世界ではとても尊いものに思えたのです。
F4
(c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL.
そして、古典的なヒーロー(チーム)であるからこそ、その「善性」が今の世に必要であり、正しいことなのだと信じたくなる。それもまた『スーパーマン』と共通しており、単にエンタメとして楽しめるだけでなく、「ヒーロー映画を今作る意義」を強く感じられる内容になっているのです。
次ページ
実は過去作の「リベンジ」かも?
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『ベスト・キッド:レジェンズ』がほぼ『トップガン マーヴェリック』だった理由。見る前に知りたい3つのこと

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    スウォッチ「つり目」広告は他人事? スイス在住の日本人「細目のスマイリーを描かれたことも」

  • 世界を知れば日本が見える

    【解説】参政党躍進に“ロシア系bot”疑惑、証拠なく“自民党の情報操作”との見方も

  • AIに負けない子の育て方

    「学校に行きたくない」その一言に隠された、子どもからの本当のSOSとは【不登校専門家が解説】