結論から申し上げれば、本作は楽しい! 面白い! 何より敷居の低いヒーロー映画であり、今日(こんにち)的なテーマもすくい上げ、かつテンポよくまとまった優秀なエンタメ作品だったのです。 ここでは事前に知ってほしい魅力や特徴を、5つのポイントからまとめてみましょう。
1:「レトロフューチャー」なルックがかわいい!
本作の魅力の筆頭は「レトロフューチャー」なルックでしょう。1960年代にタイムスリップしたかのような、ブラウン管のテレビ、そこに映る荒いニュース映像などは、その時代のニューヨークを知らない人にとっても懐かしさを覚えるはず。宇宙船やマスコット的なロボットといったSF要素もふんだんにあり、それぞれの造形がとってもキュートに見えるのです。
ちなみに、マット・シャックマン監督はDisney+(ディズニープラス)で配信中のドラマ『ワンダヴィジョン』全9話を手掛けています。同作は、70年以上の歴史を持つアメリカの「シットコム(シチュエーションコメディ)」を思わせる作風と、そこから生まれる意外性のあるサプライズが特徴でした。レトロ表現への造詣が深い監督ならではの演出といえるでしょう。
2:チームであり家族! 実は「正体が世間に知られている」ヒーローでもある
1961年にスタン・リーとジャック・カービーによって創造された『ファンタスティック・フォー』は、ヒーローチームの「原点」ともいえる作品です。
リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック
天才科学者でチームのリーダー。 ゴムのように自在に伸縮する身体を駆使し、常に冷静な判断でチームを導く。研究にも情熱を注ぎ、スーのパートナーでもある。
スー・ストーム/インビジブル・ウーマン
自身の身体を透明化させ、目に見えないエネルギーを操り、フォース・フィールドを形成する超能力を持つ。リードの妻であり、チームの精神的支柱。 ジョニーの姉でもある。
ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ
スーの弟で、陽気なチームのムードメーカー。炎を操り空を高速で飛び、高熱の火炎を放つ。 ベンとは喧嘩しつつも、深い友情で結ばれている。
ベン・グリム/ザ・シング
リードの古くからの親友。心優しく、岩のように強固な身体と怪力を持つチームの力持ち。
「夫婦」や「実のきょうだい」がチームにいるというのは、今となっては逆に新鮮で珍しいヒーローチームだと感じるのではないでしょうか。
そのように「ヒーローチームの原点が今ではフレッシュに思える」魅力がふんだんにあるのが、今回の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』なのです。



