1:上映時間は2時間24分!スクリーンで目いっぱいに堪能しよう
まず、本作の上映時間は2時間24分と長めであることにご注意を。直前のトイレは必須、その後の予定との調整も必要でしょう。また、現時点では吹き替え版の上映はなく、字幕版のみ。お子さんを連れていく場合は、漢字がある程度は読める年齢の方がベターでしょう。
それでいて、「えっ?もう終わり?」と思うほどにのめり込んで見られること、またそれだけの上映時間にも必然性がある物語の厚みも含め、『ウィキッド ふたりの魔女』に通じていました。画面いっぱいにたくさんのキャラクターが目まぐるしく動く場面もあり、なるべく大きなスクリーンで見ること、特にIMAX上映を選ぶことも強くおすすめします。
2:抑えておくべきは「主人公と親友」&「相関図」
今作は前作を見ていない観客も想定した作りにもなっており、前作のあらすじや基本的な設定は冒頭でざっくりと説明されるのでご安心を……と、言いたいところですが、矢継ぎ早にたくさんの情報が叩き込まれるので、混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。
日本語字幕でもできるだけ情報を詰め込んでいる印象があり、身構えずに見ると固有名詞の多さに面食らってしまうかもしれないので、初めからスクリーンに「全集中」して見た方がいいでしょう。
しかしながら、主人公であるナタの来歴の大枠は「これまで孤独を抱えてきたが、両親からの愛情を受けて育った」とシンプルで、ゴウヘイとの関係は「親友」です。また、ナタはヤンチャな少年で、ゴウヘイは冷静沈着で思慮深いという、正反対の性格の持ち主。そして、互いにもともとは「違う宿命」を背負った主人公と親友の関係、境遇を主軸に物語を追っていけば、すんなりと飲み込めるでしょう。
さらに、ナタとゴウヘイにそれぞれに師匠がいることも把握していたほうがいいでしょう。それは、ひょうひょうとした性格の「太乙真人(タイイツシンジン)」と、頑固で攻撃的な「申公豹(シンコウヒョウ)」です。
そのほかのキャラクターもかなり多めで、関係性もやや複雑なので、事前に公式X(旧Twitter)でも掲載されているキャラクター相関図を頭に入れておき、公式Webサイト掲載のキャラクター紹介ページも軽く読んでおくことをおすすめします。
3:少年漫画的なアツさと「今」の世界の問題への鋭さも
今作のあらすじは、前作で親友同士になったナタとゴウヘイが、新たな問題に直面し、共に冒険に旅立ち、そして世界の真実を知る……というもの。正反対のコンビによる冒険とアクションは、日本の漫画『うしおととら』をほうふつとさせますし、「修行」パートも含めて日本の少年漫画のようなアツさやエンタメ性に満ちており、日本人にも分かりやすく楽しめるでしょう。
また、こちらも詳細は伏せておきますが、劇中で提示される悲劇と、終盤のとある「種明かし」も含めて、提示された問題はロシアによるウクライナへの侵攻、イスラエルによるガザ地区侵攻に強く通じているものでした。
