2025年の中学入試始まる

受験シーズンが始まりました。
中学受験では、埼玉県を皮切りに千葉県、そして東京都・神奈川県の入試が行われます。前回も書きましたが、2025年の私立国立中学受験者数は、昨年よりやや減るものの、5万2000人を超えて高止まりとなるという予測が出ています。
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埼玉県の入試初日、1月10日に行われた栄東中学校A日程と、新設2年目の開智所沢中等教育学校(以下、開智所沢)の第1回入試は、今年も多くの志願者を集めました。
ただ、今年何かと話題になった開智所沢の志願者数の総計は、同学園の姉妹校の志願者数とのダブルカウントになっているため、実数で「日本一の志願者数」になっているわけではないことも知っておいていただくとよいでしょう。(首都圏模試センター 北一成氏 談)
それにしても多くの受験生を集めたのは事実。2月1日から始まる東京・神奈川の前受け校として受験した人も多いでしょう。中には、お試し受験として受けたものの思うような結果が出ず、本命の入試に向けてどんな言葉をかけたらいいか悩んでいるご家庭もあるかもしれません。
昔から言われていることですが、受験は水物。予想外のことが起こるものです。これまでのほほんとしていたお子さんでも、本命校の入試を前にして、緊張したり不安になったりしているかもしれません。そんなときに親が発するひと言で、子どもの気持ちはポジティブにもネガティブにも揺れ動きます。
入試直前あるいは結果が出たときに、子どもにどう接すればいいのでしょう。「やってよかった!」と思える、後伸びする受験にするための関わり方と、言ってはいけない言葉がけについて考えます。
入試直前期に効く「励ましの言葉」
受験は必ず合否という結果が出るチャレンジです。本人にとってはもちろん人生の中で数回あるかないかの経験ですが、こと中学受験となると、親の方がまるで自分の受験のように一喜一憂し、心配のあまり、余計なひと言を言ってしまうことがあります。特に直前期には、現実的な受験準備に追われたり、学習面の不安に直面したりと、親にも余裕がなくなってしまいがちです。
そうなると、例えば「試験まで時間ないのに、ちゃんとやっているの?」「見直しはちゃんとしなさい」などと、「ちゃんと」を連発しがちになります。
でも「ちゃんと」ってすごく曖昧な言葉です。しかも「ちゃんとできていない」というネガティブなメッセージだけが伝わってしまいます。親の不安は無意識のうちに、でも確実に子どもに伝わり、子どもが不安になることも……。不安からよい結果は生まれないですよね。
安全校のはずの学校に不合格になってしまったAさんは、「逆に今でよかったね」と励まし、お子さんに「後悔しないようにやれることは全部しよう!」と伝えて、本命校の試験に臨み合格したそうです。