「失敗は悪いことではない」と伝えよう
試験会場から出てきた子どもにかける言葉にも注意が必要です。「どうだった?」と聞きたい気持ちはやまやまでしょうが、そこは我慢。「お疲れさま!」くらいの言葉かけにする。もし浮かない顔をしていたら、「あなたができない問題は他の人もできていないはず。次の試験に向けて切り替えよう」と前向きな言葉がけで励ます。思わしくない結果が続いた場合も、「残念だったね。でもよく頑張っているね。最後まで諦めずに頑張ろう」と応援してあげましょう。
また、親の失敗談を話してあげるのもいい方法です。親が「失敗=悪」と考えなければ、子どもも同じように考えます。「今回は残念だったけれど、失敗したということは挑戦した証。またチャレンジしてみたらいいんだよ」と伝えてあげてください。
実際、昨今の中学入試は難しくなっていて、「以前なら確実に合格していたはずが、まさかの不合格という結果になってしまうこともある」と、この道40年のベテラン講師も言っていました。ですから、最悪の場合も考えて、あらかじめ合格しやすい学校を見つけておいたり、直前で出願できる学校を見つけておいたり、次善の策を講じておくことは親の仕事です。
受験校を選ぶときには、受験する可能性のある学校はしっかり調べて、その学校のいいところを理解し、「受験する学校はどこも進学していい学校」と捉えられるようにしておきましょう。
予想以上にいい結果が出たときも要注意
反対に、予想以上にいい結果が出たときにも注意が必要です。チャレンジ校に合格できたとき、本人も行きたい学校に合格できたのですから進学するのはいいのですが、親が張り切り過ぎたり、「もっと頑張らないとついて行けないよ!」とプレッシャーをかけたりしないように注意しましょう。
考えてみてください。子どもたちは、受験勉強をしている間、常に塾内の試験や模試の成績による順位付けにさらされてきました。成績が上がらなければ、「もっと頑張れ!」と言われ、成績がよければよいで、下がったらいけないというプレッシャーにさらされます。脳内ではアドレナリンが出っ放しの状態だったと思います。
でも、その状態は長くは続きません。親は入学したらしたで、その先が気になりますが、入学後に学力が伸びるか伸びないかは、はっきり言って、メンタルの影響の方が大きいです。
実際、入学後勉強についていけず、成績が低迷することもあります。それでも本人が自分の問題と捉えていればいいのですが、そんなわが子を見て、入学後も親の管理が続くケースも少なくありません。親はよかれと思ってやっているのですが、それでは子どもはいつまでも自立できませんし、やり過ぎると親子関係に修復できないほどのひびが入ることもあります。
実際、入学後に成績が思わしくなく、親が学習管理をするようになり、それによってさらにやる気を失い、不登校になってしまったというケースがあります。これは決して特別なことではありません。
また、進学校では、入学と同時に今度は大学受験のための塾に通わせるケースも少なくないのですが、それも長い目で見たときにどうでしょう。
中学に入ったら、自分の行動の責任は自分にあるということを覚えていく必要があります。この先は手をかけ過ぎず、お子さんの自立を見守っていきましょう。



