不安定な社会に求められるのは「安心感」と「信頼」
ゆりこ:今年は“BTS復活イヤー”ですからね。そこは今年の大きな希望。早速J-HOPEさんのソロツアーが発表されて話題になっていますが、全員そろっての大規模ワールドツアーは2026年になる可能性がうわさされています。とはいえ、今年中も何かしらのグループ活動があると期待しています。あえて詮索せずに発表を待って素直にギャーっと喜びたい(笑)。あと忘れてはなりません。秋にはEXOも全員除隊します。一部メンバーが古巣SMとの関係に課題を抱えていますが「Asia Artist Awards 2024」ではリーダーのスホさんが、先日の「SMTOWN LIVE 2025 in SEOUL」でもチャンヨルさんが今後のカムバックを匂わせる発言をしていたので期待したいです。矢野:リップサービスでないことを願います。最近のメンバーの活動や言動を見ているとBIGBANGもツアーがあるかもしれないですね。2NE1もソウルでのアンコール公演を発表しました。
ゆりこ:以前とある報道番組でエコノミストが「不況や不安定な社会で売れるのはおなじみのブランドや定番商品」だと言っていました。『紅白歌合戦』をきっかけに日本でB’z人気が再燃しているのも、世相と無関係ではないかもしれないですよ。そういった側面から、2025年は歴代王者たちの帰還タイミングとしてはベストではないでしょうか。事務所としても名前を売るためのプロモーション投資が不要なのでローリスクなありがたい存在です。
矢野:新人グループが多数披露される上に、人気のベテラングループが戻ってくる……ファン視点ではかなり面白いことになりそう。半年後の予想もつかない分、楽しみです。
ゆりこ:あと、やはりNewJeansの契約問題が解決しない限り、K-POP全体にモヤがかかった状態は続くと見ています。今韓国ではそれ以上の社会問題が起こり続けているので一時期の加熱報道は落ち着きましたが、ふたをして見て見ぬふりして次へ進める問題ではないと思います。
矢野:他のアーティスト、他社のスタッフ、韓国エンタメ業界に関わる人すべてにとって「他人事」ではないですよね。そして同じような火種がどこかでくすぶっているかもしれない。
ゆりこ:約15年前も東方神起のメンバー脱退がきっかけとなり「奴隷契約」と呼ばれていたアーティストたちに不利な契約を改善すべく韓国の法律が変わりました。2015年には事務所による特定アーティストに対する活動妨害、放送局などへの圧力がけを禁止する、通称「JYJ法」も成立しています。ただ実際のところ、それらが守られていたとはいえないのですが……。いずれにしてもNewJeansの件も韓国芸能界の慣習や法律をも変える可能性があります。
矢野:大きな産業へ成長したK-POP界は、従来のシステムを見直し、不具合があれば必要に応じて取り換えるなどして、新しい“K-POPスタイル”を構築していく必要がありそうです。ただ、いずれにしても、2025年もK-POPを楽しむことに変わりはありません。今年はどんなK-POPシーンに出会えるのか、わくわくしています!
【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウォッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。
編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやメンズファッション記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)&MOA(TOMORROW X TOGETHERファン)。



