おすすめのホテルは無人島の豪華なリゾートホテル
富士山を眺めながら一夜を過ごす宿。エリア内でおすすめの1つが駿河湾の無人島にある淡島ホテルだ。無人島といっても絶海の孤島ではなく、伊豆半島のフェリー乗り場から5分という近さ。フェリー乗り場までは、JR三島駅から無料のシャトルバスで30~40分、JR沼津駅からは路線バスの便もある(35分)。 ホテルに着いて驚くのは、その豪華さだ。バブル期にできたためか、美術館のような装飾、広々とした部屋。ベランダからもバスルームからもオーシャンビューが楽しめ、そのかなたには富士山がそびえている。何ともぜいたくな造りで、慌ただしい都会の喧騒(けんそう)を忘れてゆったりと過ごせるであろう。館内には温泉もあるので、至れり尽くせり。ただし、無人島なので、コンビニはない。日用品で必要なものは三島や沼津あたりで調達しておきたい。最後に鉄道ファン向けのプランを2つご紹介
ここまで、鉄道旅行にしては、やや“鉄分”不足だったので、最後に「もれなく富士山キャンペーン」の中から“鉄分”のあるプランを紹介しておこう。 1つは、伊豆箱根鉄道一日乗車券(伊豆箱根鉄道 駿豆線1日乗り放題乗車券「旅助け」)。三島から修善寺にいたるローカル路線だが、観光路線でもある。西武系列の会社なので、かつて西武線を走っていた懐かしい塗装の電車に遭遇するかもしれない。富士山をバックに走る姿は絵になり、「撮り鉄スポット」もある。 もう1つは、修善寺虹の郷前売り入園券(ミニSL乗車券付き)。広々とした園内を走るSLはミニサイズといっても、イギリスのロムニー鉄道の車両をコピーしたもの。世界最小の公共鉄道として有名なもので遊園地のおもちゃではない。小さいながらも本格的なSLで、もちろん煙を吐いて走り回る。車内あるいは園内のどこで富士山が眺められるのか、注意して探してみよう。他にも、さまざまなプランがある。注意点は、東海道新幹線をネット予約の上、チケットレスで乗車するEX会員あるいはスマートEXの会員でないと利用できないこと。EX会員と違って、スマートEXは会費無料なので、まずは会員になり、「EX旅先予約」からプランを選んで予約したい。
取材協力=JR東海、もれなく富士山キャンペーンPR事務局
この記事の執筆者:野田 隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。