静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅
東海道新幹線で三島を過ぎると、右手に富士山が見えてくる。列車内は言うに及ばず、富士山のビュースポットが点在する静岡県の沿線各地。今回はそんな静岡県内のスポットを、JR東海が行っている「もれなく富士山キャンペーン」を使って巡ってみた。
久能山東照宮での貴重な体験
5分乗って降りたところが久能山駅。徳川家康ゆかりの久能山東照宮がある。家康は死後(1616年)直ちに久能山東照宮に埋葬され、その1年後、霊の一部を日光東照宮に移し祭神としている。その久能山東照宮と日光東照宮を結ぶライン上には富士山が位置しているとは偶然とは思えない不思議なものを感じる。
国宝となっている社殿でお清めを行ったあとは、400年の歴史で、久能山東照宮の神職以外は足を踏み入れることができなかった「禁足地(鎮守の社)」に立ち入るプランがある。※完売となったため、申し込みは中止している
ただし、気楽に歩けるような遊歩道ではなく、手すりなどはない登山になるので足元に注意。それなりの覚悟が必要だ。苦労して久能山の山頂に登れば、末社愛宕神社から富士山を遥拝することができる。
なお、絢爛(けんらん)豪華な社殿など国宝の維持管理には莫大な費用がかかっているとのこと。拝観料やツアー代金の一部は、そうした費用に充当されることを理解しておきたい。
漁港で知られた焼津で「かつおの藁(わら)焼きたたき作り」体験
ロープウェイとバスで来た道を戻り、JR東静岡駅で下車。東海道本線(在来線)下り列車(島田・浜松方面行き普通列車)に乗ると、20分ほど(静岡駅からなら12分)で焼津駅に着く。焼津は日本有数の漁港で知られ、特にカツオ漁が盛んなことで有名だ。この地では、水揚げされた厳選カツオを大量の藁(わら)を使って焼き上げる「かつおの藁(わら)焼きたたき作り」体験ができる。
明治10年創業の「川直(かわなお)」というお店の人が鮮やかにカツオを丸ごとさばいてくれるので、火が立ち昇る中で係に教えられるままに炙(あぶ)る。作業は実に手際よく進み、あっという間にカツオのたたきができあがる。スーパーなどお店で購入するたたきとは鮮度が異なり、とろけるような味わいだ。
どうせ食べるなら、お店でプラスチックのケースに入れてもらい、歩いて9分ほどの公園「ふぃしゅーな焼津」に行きたい。駿河湾に面した場所で、海の向こうに富士山が顔を出すビュースポットなのだ。富士山を眺めながら口にするカツオのたたきは焼津ならではの思い出となるだろう。