「西国分寺駅」には何がある? 徒歩すぐで市役所&おしゃれ図書館に行ける、歴史スポットにあふれた街
JR中央線と武蔵野線が直行し、乗り換えでお世話になることが多い西国分寺駅。むしろ「乗り換え以外で利用したことがない」という人も少なくないかと思われますが、駅を降りた先の街中には何があるのか。この記事で詳しく紹介します!
駅から徒歩数分で史跡、図書館、公共施設、市役所がそろう
ロータリーから武蔵野線の下をくぐり、東側へ向かいます。中央線と武蔵野線の交差により、西国分寺駅周辺は立体的な地形が多い印象を受けます。
東側のタワーマンション脇を通り過ぎると、その先は西国分寺団地に入ります。この辺りは平日昼ともなれば人もまばらで、のんびりした空気感。
あちこちに史跡への案内標識があるのも西国分寺の特徴。散策に便利ですね。
駅から数分の場所で「
東山道武蔵路遺構再生展示施設」に遭遇! 東山道とは7世紀後半頃に整備された、当時の都(みやこ)と地方拠点(国府)を結ぶ幹線道路のこと。今でいう国道や高速道路のようなものですね。その直線道路跡が340mにわたって西国分寺で発掘されたそうで、その空間的・時間的スケールの大きさには驚かされます。
東山道の発掘跡は長い時を経て、現在では再び幅広の道路として整備されています。道路に面してさまざまな公共施設が建っており、こちらは総務省の施設です。
その隣にはシャープな外観の「
東京都立多摩図書館」があります。現在の建物は2017年に設計されたもので、一般誌や学術誌の約1万9000冊を備えた「東京マガジンバンク」と、児童〜ヤングアダルト向けの蔵書を充実させて子どもの読書を推進する「児童・青少年資料サービス」の2機能を軸に、さまざまな取り組みやサービスを行っています。
館内は半円形で広大な図書スペースのほか、入り口右手の「カフェ キィニョン」や、蔵書資料などによる常設展・企画展を行う展示スペースも。読書や学問だけでなく、休日のティータイムや散策にもちょうどよさそうですね。
さらに隣にあるのは「
東京都公文書館」。2020年に国分寺市に移転したそうで、黒い直方体のようなずっしりした外観が、公文書の番人といった重厚さです。閲覧室では貴重な公文書を読めるほか、江戸・東京の歴史を概観する常設展示「東京の軌跡」や企画展示を行っています。
さらに隣には「
国分寺市役所」も。西国分寺には、実は市の文化・教育・行政・公共サービスの中核施設がそろっているのです。
武蔵国分寺公園は緑いっぱいで、のんびりできる
市役所と隣接しているのが「
武蔵国分寺公園」。旧中央鉄道学園の土地を都が取得・整備して2002年に都立公園としてオープンした場所で、広域防災拠点としての役割も持っています。
池や噴水、円形広場のある北側と、こもれび広場や野鳥の森のある南側が「ふれあい橋」でつながっており、特に北側は噴水まわりが空気もよく爽快!
一方、南側のこもれび広場は広葉樹の大木が点在しており、名前通り木陰で「こもれび」を受けながらリラックスしている人がチラホラ。こういう所で本を読んだり、ちょっとお昼寝したりできると最高ですね!
公園からすぐ近くにあるのが「武蔵国分寺跡」の僧寺北東地域。武蔵国分寺とは奈良時代中期、政治や社会の混乱を仏教の力で鎮めるべく、聖武天皇が諸国に建立を命じた「国分寺」の一つ。東西2km、南北1.5kmに及んだ大伽藍(だいがらん)は1333年の分倍河原の合戦の際に焼失しましたが、その遺跡が江戸時代には知識人の注目する名所となり、1922年には国の史跡として制定されました。
現在では大伽藍の名残はほとんど残されておらず、僧寺北東地域の跡地はほとんど単なる草原と化していますが、千年以上も昔にはここが政治・文化の中心だったのです。