子どもの出自を知る権利は世界に照らし合わせる一方……
新法では、法律婚以外のカップルや女性らに医療機関が医療を実施すると罰則がある。しかし、医療機関を介さない個人間でのやりとりに罰則はない。そのため小野田議員は前述のような質問をしたのだろう。法で守られ、安全に医療を受けられれば、多くの人が子どもを持て幸せになり、さらに少子化にも歯止めがかかる可能性があるにもかかわらず、日本という国は自ら、国の将来を閉ざそうとしている。子どもの出自を知る権利については、世界各国の権利を勉強し、議連で熟議を尽くしてきた、と議員らが話す一方で、世界を見れば、欧州では同性カップルに対する法整備が進められているにもかかわらず、なぜ、今後日本で治療を受けられるのはそれに逆行する“法律婚のみ”という内容になったのか、疑問が残る結果になってしまった。
“新しい家族の在り方”にそぐわない内容
会合の冒頭で野田聖子会長は、約4年、28回も回を重ね、ようやく法案がまとまったことを報告。時間がかかった理由としては、「本当に今までにない日本の文化や生活、伝統の中にない新しい家族の在り方をしっかり開いていくという前例のないものであったから」と、時間をかけて、より丁寧に取り組んできたことを明かしたものの、誰もが納得いく内容にはならなかった。会合の最後には「迅速な審査」を各党に要望し、20日後にある会合では最終案を確認し、最終スケジュールを共有するよう。早ければ特別国会か臨時国会か、次の国会に今回の法案は提出され、その後最短3カ月で施行される見通しだ。