ヒナタカの雑食系映画論 第115回

2024年夏に見てよかった洋画をランキングにしてみた。エンタメ性抜群の作品から厳選したベスト5

2024年夏に公開された、またはこれから公開される洋画(海外実写映画)から、心から見てよかったと思えたベスト5を発表しましょう!(※サムネイル画像出典:『フォールガイ』より(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.)

フォールガイ
『フォールガイ』8月16日(金)より、全国ロードショー! 配給:東宝東和 (C)2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
アニメ映画に続き、この夏に見てよかったと心から思えた、公開中またはこれから公開される、個人的な洋画(海外実写映画)のベスト5を紹介しますいずれもエンターテインメント性が高いので、シンプルに「面白い映画が見たい」という人に推薦します!

5位:『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』(7月19日より公開中)


人類初の月面着陸における“うわさ”をモチーフとした作品で、劇中で提示されるのは「フェイク映像を撮影する」という極秘ミッション。つまりは人類史を塗り替える出来事の裏にある陰謀がうごめく……のですが、実際の作品の口当たりは「軽妙洒脱(しゃだつ)」という言葉がふさわしいロマンティックコメディー。クスクスと笑いつつも、2人の主人公たちが惹かれ合う様を心から応援できる、すてきな作品に仕上がっていました。

何より、平然とうそをついてしまうPRマーケティングのプロにスカーレット・ヨハンソン、実直で真面目なNASAの発射責任者にチャニング・テイタムという、2大スターのキャスティングの時点で「勝って」いますし、実際に本編を見ても2人が最高に魅力的です。どちらもクセが強いようで本質的にはいい人であることが会話の端々から伝わってきますし、初めこそ水と油のようで、実は相性も抜群の2人をずっと見ていたくなるでしょう。
 

ラブコメディーだけでなく、クライマックスでのハラハラするシチュエーションも面白く、あるポイントで猫が大活躍する「猫映画」としても秀逸なのがたまりません。上映開始から約1カ月が経ち、現在公開中の劇場はわずかですが、スクリーンに映える場面もあるので、間に合う人はぜひ優先的に駆けつけてほしいです。なお、Apple TV+で近日配信予定です。

4位:『ツイスターズ』(8月1日より公開中)


見た目から分かりやすく竜巻を扱った災害パニック映画であり、1996年の『ツイスター』へのオマージュもありますが、そちらと物語のつながりはほぼないので予備知識なく見ても全く問題なく楽しめるでしょう。かつて『木曜洋画劇場』(テレビ東京系)で放送された古き良き娯楽映画にまた出会えたようなうれしさでいっぱいになる、しかも映画館で見てこその没入感と迫力をたっぷりと味わえる内容となっていました。

アトラクション的なハラハラするシチュエーションが主体でありながら、ドラマ面も魅力的に仕上がっています。主人公は悲しい過去を抱えながらも新たに竜巻に挑む真面目な女性気象学者で、そのライバルとなるのは一見すると軽薄そうなYouTuberのため、初めこそ「なんだよあいつ……」と思ってしまうものの、徐々に「あれ?この人ひょっとしていい人……?」な面が見えてくる過程が面白いのです。
 

『ザリガニの鳴くところ』での演技が絶賛されたデイジー・エドガー=ジョーンズが、影がありながらも芯のある女性に、『トップガン マーヴェリック』でも強いインパクトがあったグレン・パウエルが「初めこそ最悪の印象だったけど、徐々に好感度が爆上がりしていく」YouTuberにハマりまくりで、その2人の関係性の変化にもニヤニヤできるでしょう。「西部劇」的な荒野での冒険や、あっと驚くスペクタクルを期待する人にも推薦します。
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