先日、国が示した新たな飛行ルート案を地元自治体が合意した。2025年の大阪・関西万博の開催も控えた需要増への対応とともに、すでに問題となっているオーバーツーリズムなども合わせて解説する。
2025年4月の万博開催になんとか間に合わせる
そこで国が2023年、国が関西空港の西に位置する「淡路島の上空を通る飛行ルート」を増やすことなどを、大阪府や兵庫県など地元自治体に提示していた。
実際に新たな飛行ルートが運用されると、関西空港で1時間あたり45回から60回に、神戸空港で1日あたり80回から120回に、発着枠がそれぞれ増えることとなる。大阪・関西万博の開催直前、2025年3月下旬から運用開始予定だ。
最大の懸念「飛行機の騒音問題」はどうなる?
例えば、北風時は関西空港を出発(離陸)すると、淡路島上空では島北部を通過する2ルートがある。今回の新たな飛行ルートでは、淡路島の中南部を飛ぶ2ルートも加わる。
この3空港を離発着する飛行機の数は非常に多く、飛行ルートはすでに飽和状態となっている。今回の発着枠拡大の対象外ではあるものの、伊丹空港も国内線の基幹空港として、7~21時の運用時間で発着枠が1日370回の混雑空港である。
新たな飛行ルートが設定された場合、最大の懸念として「飛行機の騒音問題」が、地元から出ていた。これに対し、新たな飛行ルートでの運用時間を「6時半~23時まで」に制限すること(関西空港は24時間運用)、淡路島上空を飛行する高度を現在の2400メートル以上より900メートル低い1500メートル以上として発着枠を増やしつつも、住宅地など陸上を通過する際はできるだけ高い高度を飛行することも前提条件とされた。