恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第102回

引退する「ドクターイエロー」。座席数、ねぐら、後継車両…実はあまり知られていない7つの秘密

新幹線電気軌道総合試験車(通称「ドクターイエロー」)が引退する。東海道・山陽新幹線では2編成のドクターイエローが走行しているが、車両の老朽化に伴いJR東海のT4編成が、2025年1月をもって、JR西日本のT5編成も2027年度以降を目途に引退を表明した。

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2025年1月をもって引退すると発表されたドクターイエローT4編成(写真提供=JR東海)
新幹線のお医者さん「新幹線電気軌道総合試験車」(通称「ドクターイエロー」)が引退する。東海道・山陽新幹線では2編成のドクターイエローが走行しているが、車両の老朽化に伴い、JR東海のT4編成が2025年1月をもって、JR西日本のT5編成も2027年度以降を目途に引退することが発表された。

ドクターイエローは7両編成なので、それにちなんで7つのトピックを取り上げてみたい。

1. ドクターイエローの正式名称は?

ドクターイエローの正式名称は新幹線電気軌道総合試験車、形式は923形。JR東海所属の0番代(T4編成)およびJR西日本所属の3000番代(T5編成)の2本がある。今回引退を表明したのはT4編成である。

線路や架線などの施設を点検するところから「新幹線のお医者さん」と言われ、車体が黄色であるため「ドクターイエロー」という愛称で親しまれている。「いつから呼ばれるようになったか、また、名付け親についても不明だ」(JR東海広報の話)。

2. ドクターイエローの編成は? 

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ドクターイエローT4編成 窓の配置に注目(写真提供=JR東海)
ドクターイエローは7両編成。東海道新幹線を走る「のぞみ」「ひかり」「こだま」は全て16両編成なので、きわめて短編成だ。東京駅に停車していると、長いホームの後ろ半分にちょこんと停まっている感じだ。旅客用車両ではないので、窓の配置が特殊である。

1~3号車は電気測定関係、4号車は軌道測定関係、5号車は休憩室と観測ドーム、6号車にはミーティングルームや緊急時に復旧資材を載せるスペースがある。7号車には添乗員室(50人分の座席)があり、視察などで乗車するときに使われる。
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ドクターイエローのねぐらは?
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