#35のテーマは前回に続き「K-POPアーティストの事務所移籍問題」について。近年、所属グループを脱退することなく、ソロ活動は個人事務所や別の事務所に移籍して行うK-POPアーティストが急増しています。その背景にあるアーティスト側の事情、ファンから見たメリットやデメリットなどについて解説します。
【前回の記事「『グループに在籍しながら、ソロ活動は個人事務所』が急増しているワケ」(#34)はこちら】
K-POPアイドル事務所独立の背景
編集担当・矢野(以下、矢野):2023年末から今年にかけてBLACKPINK、SUPER JUNIOR、EXO、そして最近ではSHINeeの一部メンバーが、これまで所属していた大手事務所から独立するというニュースが相次いでいます。あくまでソロ活動についての話でありグループには在籍、グループ活動の際は今まで通り古巣を通じて活動するということですが……それでも気になる「独立問題」の後編です!
K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):もう少し具体的な背景についても触れていきたいと思います。特にBLACKPINKのYGエンターテインメント(以下、YG)は2019年に起こったバーニング・サン事件をきっかけに、影響力と求心力が弱化傾向にあったことは否めません。7年ぶりの新人ガールズグループBABYMONSTERで名誉挽回なるか?という感じですね。
※バーニング・サン事件とは
2018年にソウル市内のナイトクラブ「バーニング・サン」で起こった暴行トラブルを中心とした関連事件の総称。当時のBIGBANGメンバー(脱退済み)が関与しており、その後多くの人気歌手、アイドルたちによるわいせつ事件も発覚。YG等、関与していたアーティストの所属会社の株価が暴落、逮捕者が出るなど韓国の芸能界へ激震が走った。
2018年にソウル市内のナイトクラブ「バーニング・サン」で起こった暴行トラブルを中心とした関連事件の総称。当時のBIGBANGメンバー(脱退済み)が関与しており、その後多くの人気歌手、アイドルたちによるわいせつ事件も発覚。YG等、関与していたアーティストの所属会社の株価が暴落、逮捕者が出るなど韓国の芸能界へ激震が走った。
矢野:SMエンターテイメント(以下、SM)は昨年の買収問題・お家騒動もありました。創業者も去りましたし、良くも悪くも社内に大変革が起きたことは想像に難くないです。
ゆりこ:古巣からの独立を決めたアーティストの理由やきっかけは個々で違うと思うのですが、会社の変化や信頼していたスタッフの退社、そして自分の進みたい方向性とのズレを感じた結果かもしれませんね。実際にアイドルだけではなく俳優さんも信頼しているマネージャーやスタッフと共に独立するケースが多いです。
矢野:EXOのD.O.さんもそのパターンですよね。気心知れたスタッフとなら、一歩踏み出しやすいでしょうね。ただ……僕は個人的にSHINeeのテミンさんのニュースを見たとき、正直「もったいない」って思ってしまったんです!(テミンさん、ファンの皆さんごめんなさい!)
ゆりこ:おっと、矢野さんから意外な意見。それはどういう点からですか?
矢野:以前のSHINeeの記事で「SHINeeはSMの最推しグループではなかったのでは?」という疑念についてお話ししたので、少し矛盾するかもしれませんが……テミンさんは“SMの顔”で、会社のお気に入りメンバーという印象が強いんです。ソロ活動の機会も十分与えられていたと思いますし、あえて会社を出る必要があったのかなと。ご本人の気持ちや事情を知らないまま、勝手なことを言っちゃってます!
ゆりこ:実は……私も今年SMを去ったメンバーの中でテミンさんが一番意外でした。東方神起のユンホさん、少女時代のテヨンさんと並ぶ“きっとずっとSM”の1人だと思っていた節がありました。
矢野:ご自身の変化だけではなく、環境の変化も一因になりそうですよね。ただ、真相はご本人にしか分からないとして、長年お世話になり慣れ親しんだ事務所から独立、移籍するメリットって何でしょうか? まず思い浮かぶのが収入面ですが。