朝ドラ『虎に翼』に全女性が勇気づけられる理由とは? さまざまな価値観が錯綜する豪華登場人物に注目

伊藤沙莉さんが主演を務めるNHK連続テレビ小説『虎に翼』が、大きな話題を集め続けています。この記事では、『虎に翼』の序盤の振り返りをしつつ、ドラマの魅力に迫っていきたいと思います。(サムネイル画像出典:『虎に翼』公式Webサイト)

女性は勇気をもらい、男性は考えるきっかけになる

着々とストーリーが進行している『虎に翼』ですが、近年の朝ドラの中でも特に逆境から這い上がろうとする女性たちの姿を何度も見ることができる作品です。

主要人物となっている山田よねですが、実は男装して勇ましいキャラクターでいるのには、女性だからこその深いわけがあることが判明します。よねに優しくしてくれた姉は、15歳になると両親に売られ女郎に。貧しい女性だからという理由で搾取され続けることに苦悩するよねは、女であることをやめ、故郷から逃走した悲しい過去を持っています。
  令和では考えられないような悲劇ですが、これは日本で実際に起きていたこと。こういった、女性たちの苦しみや悲しみを描きつつ、何とか自由を手にしようともがく姿が鮮明に描かれています。

寅子が女性初の弁護士になったというサクセスストーリーだけでなく、その裏にある男尊女卑の世界を体験できることで、視聴者はさまざまな発見をすることができます。女性は生きる勇気をもらい、男性は男女差別について考えるきっかけになるドラマとなっています。

“主題歌職人”が奏でる歌にも注目!

また、米津玄師さんの主題歌『さよーならまたいつか!』も作品にぴったりで、深く考えさせられる歌詞と美しいメロディに癒やされます。“主題歌職人”らしい、良質な楽曲となりドラマを初回から盛り上げることに成功。ドラマのストーリーとともに、いつまでも聞いていたくなる作品となっています。
 
ここまで、『虎に翼』の序盤の魅力を紹介してきましたが、まだ見ていない人でも見逃し配信サービスなどで追いかけることも可能です。ぜひとも、名作の予感がビンビンとする『虎に翼』を見て、寅子とともに生きる喜びや希望を感じ取ってください。
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この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。

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