若者を中心に集客し記録を更新中
このままのペースが続けば30億円突破も確実。2020年公開の同じく「家ホラー」の『事故物件 恐い間取り』の23億4000万円はもちろん、1999年公開の『リング2』の推定約40億円の興行収入(『死国』との併映で当時の記録は配給収入の21億円)をも超えるかもしれません。そんな『変な家』の原作は、YouTube総再生回数が現在1900万回を超える人気動画および、書籍化された小説です。
だからこそ、SNS時代の今に「バズる」コンテンツの強さをひしひしと感じます。実際にTikTokをのぞいてみると『変な家』の関連動画は、ほかの映画作品とは桁違いの再生数やいいねの数になっています。
客層はやはり若年層が多く、筆者が見た時も10代から20代のカップルのほか、小学生ごろのお子さんが親と一緒に来ている姿も見かけました。若者へ見事にリーチした、マーケティングで見事に成功した例として、これからの映画の送り手が1つの参考にすることでしょう。
映画は「否定的な感想」が目立つ結果に
しかし、『変な家』の原作動画や小説版は高評価が多数の一方、今回の映画を実際に見た人からの感想は賛否両論、というよりも否定的なものの方が目立つ印象です。(ホラー映画全般の点数が低くなりがちな傾向があるとはいえ)「映画.com」では2.4点、「Filmarks」では3.1点と、執筆時点ではレビューサイトでの評価も低め。原作ファンからの「期待はずれ」「原作の熱心なファンにはおすすめしない」といった厳しい声や、大人の映画ファンから「若者にはもっといい映画があると教えてあげたい」といった嘆きにも似た言葉も目にしました。
さらに、原作者の雨穴(うけつ)がX(旧Twitter)で、今回の映画の話題について触れていないどころか、「今『雨穴』という名前に関係して巻き起こってることに、私は興味もないし関係もないので心穏やかなものです」と投稿したことも話題に。
これは映画ではなく、パロディ動画を投稿しているYouTuberの「終わった人」を指しているという説もありますが、やはり原作者が映画へいい印象を持っていないのではないか、という見方もまた強くなっています。