転職でのブランク期間は何カ月までならOK? あえて書くべき“休職理由”って?【転職のプロが解説】

転職やキャリアに関する悩みや疑問に、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回は「ブランク(空白期間)」についてです。

転職でのブランク期間は何カ月までなら許容?
転職でのブランク期間は不利になる?
転職やキャリアに関する悩みや疑問について、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回のテーマは「ブランク(空白期間)」についてです。
 

(質問)
転職活動をしようと考えています。できれば、今の会社を退職して、1〜2カ月休んでから転職活動を始めたいと思っているのですが、ブランク(空白期間)があると転職に不利になりますか? どのくらいの期間までなら許されるでしょうか?

(回答)
ブランク期間は3カ月くらいまでなら転職活動期間と捉えられるため、そこまで不利になることはありません。ただし、4カ月以上で明確な理由がない場合は不利になる可能性があります。


どういうことなのか、以下で解説します。

ブランク4月目以降は要注意

企業が選考をする際、許容されるブランク期間は3カ月程度と考えておきましょう。3カ月程度ならば、企業側も転職活動期間と捉えるため大きな問題はありません。

企業の視点では、ブランク期間は「ビジネスから遠ざかっている期間」と考えます。ブランク期間が長くなればなるほどビジネスの感度が落ち、入社後に戦力になるまでの時間がかかるのではないかという懸念があるためです。

また、転職活動によるブランク期間が4カ月以上になってくると、「これまで受けた全ての企業が、採用を見送った人なのではないか?」という新たな懸念が生まれやすくなります。採用候補者が複数人いて、経験や年齢が似通っていた場合、あえてブランク期間のある人を採用する企業は少なくなってしまうので注意が必要です。

やむを得ない事情でのブランクは職務経歴書に明記する

すでに4カ月以上のブランク期間がある場合はどうしたらいいか、心配に思う人もいるかもしれません。しかし、資格の取得を目的とした学習期間であったり、産休・介護など致し方ない家庭事情があったりする場合は理解を得られやすいので、職務経歴書にブランク期間の理由を明記するようにしましょう。

一方で学習期間を理由にしたブランクでも、企業側から思いのほか理解を得にくいケースがあります。例えば、評価されると勘違いしやすいのが語学留学です。英語はビジネススキルの1つでしかありません。英語が得意であることに加えて、プラスアルファでどのような経験やスキルがあるかが企業にとっては重要です。そのため、実は語学留学での1年以上のブランクを評価してくれる企業は少ないというのが現状です。

おすすめは在職中に転職活動をして、有給消化で休むこと

やむを得ない事情がない場合は、なるべく現職を辞めずに転職活動をすることをおすすめします。残った有給があれば、有給消化という形で転職前にまとまった休みをとるのはいかがでしょうか。

ブランク自体は3カ月以内であれば気にしない企業が多いとお伝えしましたが、1番のリスクはブランク期間が長引いたり、収入が途切れることに焦り、急ぐあまり納得のいく転職ができなくなってしまうことです。

在職中の転職活動は時間の調整が難しいイメージがありますが、最近ではオンライン面接を行う企業が増えていて、在職中でも転職活動を進めやすくなっています。

仮に辞めてから転職活動をする場合でも、むやみにブランク期間が長くならないよう、キャリアの棚卸や転職の軸は決めておき、退職後にスムーズに活動に入れるよう準備しておけるといいでしょう。
 

この記事の筆者:三ツ橋 りさ
2006年4月、株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職情報誌『Womantype』の編集を経て、転職サイト『女の転職@type(現・女の転職type)』のUI/UX改善やサイトリニューアルなどに従事。13年4月~15年12月まで『女の転職@type(現・女の転職type)』の編集長に就任。産育休を経て16年11月より転職サイト『@type(現・type)』の編集長として復職。19年10月より2度目の産育休を取得し、21年5月に復職。21年6月から『type』編集長に就任し現在に至る。

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