連載「鉄道雑学ニュース」
乗り物の域にとどまらず、見ても、撮っても、もちろん乗っても面白い鉄道の世界。知れば知るほど奥が深くて面白い鉄道に関する最新情報&雑学を、「All About」の鉄道ガイドで旅行作家の野田隆が自ら撮影した駅舎や車両画像と共に分かりやすく解説する。
列車からBRTへ、添田駅で対面乗換
日田彦山線の列車は、山陽新幹線が停車する小倉駅から発車する。しばらく日豊本線を走り、城野から日田彦山線に入る。乗った列車(ディーゼルカー2両編成)は途中の田川後藤寺行きだったので、田川後藤寺駅で列車を乗り換え、小倉から1時間15分ほどで(乗り換え時間は含まず)、添田に到着した。 添田駅は、ホーム1本の両側に線路のある駅だったが、BRTひこぼしラインの開業に伴い、線路はホームの西側の1線のみが残った。東側は線路を撤去して舗装かさ上げされてBRT乗り場となっている。案内板は全て新調され、ピカピカの駅である。乗り換え時間の間にトイレを利用しようとするが、かなりの列だ。多機能用個室が1つだけなのだ。男性の小用も併設すればいいのに。使い勝手が悪く、ちょっと不便に思う。
いよいよBRTひこぼしラインに乗車
しばらくすると、駅の北側にあるひこぼしライン専用の駐車場からバスがやってくる。ぐるっとひとまわりしてホームに横付けとなった。これから南へ向かうのに、頭を北側に向けての停車。やって来た方向に戻るような錯覚を感じる。しかし、バスは進行方向左側にしか出入口がないので、列車との対面乗換をするならこの形にならざるを得ない。列車とは違うのだ。 「ひこぼし7号」と呼ばれるBRT(バス)は、開業人気らしく超満員となって発車。大きな荷物を置くスペースがないので、止むを得ず隣の座席に乗せる。大きなスーツケースなので膝に載らないのだ。車内は長距離の旅行客が利用するのを想定していないのだろう。バスはすぐに半周して南を目指す。500メートルほど走って、最初の畑川(医院前)に停車。高齢者の利用が多いであろうから、病院の玄関に横付けとは便利だ。こうした配慮は小回りの利くバスならではの措置だ。 しばらくは、線路に沿った一般道を走る。列車時代には停車しなかったところにも駅(停留所)を設けている。次は「野田」という表示がでたので、どんなところなのか興味津々だったのだが、「次、降ります」という意思表示もなく、停留所には誰もいなかったのであっけなく通過。写真を撮ることはかなわなかった。
列車が走っていた時代、添田の次の駅は歓遊舎ひこさん駅だった。ここは、道の駅・歓遊舎ひこさんの裏側にホームがあったのだが、バスなので道路を右折して堂々と正面から乗り入れ、建物の出入口付近に停車する。発車すると、ぐるりと右に半周して道路に乗り入れ再び南下する。利用者がない駅(停留所)は通過。途中に下落合などという西武新宿線と同名の駅(停留所)もあった。