11月16日はボジョレー ヌーヴォー解禁日!
ボジョレー ヌーヴォーってそもそもどんなワイン? 毎年のように「過去最高!」と言ってるイメージがあるけれど、結局過去最高の当たり年はいつ? など、「違いの分かる人」になれるボジョレー ヌーヴォーの豆知識をご紹介します。
そもそもボジョレー ヌーヴォーってどんなワイン?
ボジョレー ヌーヴォーとは、フランスのボジョレー地区でその年に収穫されたガメイ種と呼ばれるぶどうを使った新酒の赤ワインのこと。
ボジョレーはフランス語で「美しい高台」を意味するボージュ(Beaujeu)に由来し、ヌーボー(nouveau)は「新しい」という意味です。
秋の収穫を祝って行われる祭りで捧げられたのがはじまりとされており、渋みが少なくフレッシュでフルーティな味わいで、現在では世界的な人気となっています。
解禁日はいつ? 世界で最も早く解禁になる国は?
ボジョレー ヌーヴォーは、早出し競争による品質低下を防ぐために1967年から解禁日が設けられています。
最初に定められた日は11月15日でしたが、休日に当たる年は出荷がストップしてしまうため、1985年に現在の「11月第3木曜日午前0時」に変更されました。
日付変更線の関係で、本国フランスよりも日本が先に解禁になります。では、世界で最も早く解禁される国はどこか?
正解は、太平洋上にあるキリバス共和国。1995年に日付変更線を変更したことで「世界で最初に朝が来る国」(GMT+14)となったためです。
日本からキリバスへの直行便はないので、乗り継ぎを含めると移動に1日はかかります。どれだけボジョレーヌーヴォーの解禁が待ち遠しくても、大人しく日本で楽しむのが無難かもしれません……!
1番の当たり年は結局いつだったのか?
ボジョレー ヌーヴォーといえば、「過去10年で最高」や「50年に1度の出来」など、毎年この時期に拡散される大げさなキャッチコピー。結局、1番の当たり年はいつなの……?
第3位は、2003年の「100年に1度の出来」です。めちゃめちゃすごい出来! まさかこれを超える年が来るとは、このときは誰も想像していなかったはずです。
第2位は、2011年の「100年に1度の出来とされた2003年を超す21世紀最高の出来栄え」です。超えてきたー! 相当おいしかったんでしょう。でもこれでも2位! 1位はどうなっちゃうの?
第1位は、2015年の「今世紀最高の出来」です。優勝ー! 今世紀最高ということは、あの2003年を倒した2011年を倒したってことですからね。最後まで立っていたやつが最強ということ……!
ですが、これらのコピーはボジョレー公式ではなく、輸入しているサントリーが販売拡大を狙って付けているもの。地元・フランスのボジョレーワイン委員会としては、2009年、2015年、2018年、2020年がグレートヴィンテージだったといわれています。
また、日本の大げさなキャッチコピーも、時代の流れなのか、はたまた誰か公式の偉い人に怒られたのか、近年では大人しい表現に抑えられています。
2023年のキャッチコピーは「まるで摘みたての赤い果実をそのまま口にほおばったような味わい」です。かつての盛り上がりを知っている人からすると、少し物足りないですね……!
年に1度のボジョレー ヌーヴォー解禁日。ワイン好きの皆様は、ぜひ記憶の中の「過去最高」と飲み比べてみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。