ここがヘンだよ、ニッポン企業 第20回

「丸亀製麺」は炎上で「サイゼリヤ」には寛容、なぜ「カエル混入騒動」で命運が分かれたのか

丸亀製麺に続き、サイゼリヤでも「生きたカエルの混入」が発覚した。一見同じような問題に見えるが、丸亀製麺は炎上し、サイゼリヤには寛容な声も多い。なぜか?

10年前に大炎上した「食材偽装問題」

今から10年前の2013年、「食材偽装問題」が大きな社会問題となった。

そこで大炎上したのが、「阪神阪急ホテルズ」である。同社運営ホテルのレストランでは冷凍保存した魚を調理したものを「鮮魚のムニエル」とメニューに記載して提供していたほか、トビウオの卵を「レッドキャビア(マスの卵)」、普通の青ネギを「九条ネギ」と、バナメイエビを「芝海老」としていた。

しかし、同社の社長(当時)は謝罪会見で「偽装ではなく誤表示」と主張。これがマスコミやらネットやらで大バッシングをされることとなり結局、社長は辞任に追い込まれた。

似たようなことをしていた企業は多かった

実はそんな大炎上騒動が起きている最中、筆者はいくつかの食品、外食メーカーから「自分たちも阪神阪急ホテルズと似たようなことをしているけれど、どうしましょう?」と危機管理の相談を受けていた。

そこで、それらの企業に対して、「阪神阪急ホテルズ」の炎上が一段落した段階で、自分たちから「偽装」の事実と謝罪を公式Webサイトに公表するようにアドバイスをした。
後に東京ディズニーリゾート内のホテルやプリンスホテル運営の4ホテルなどもホームページ上でお詫び文を発表
後に東京ディズニーリゾート内のホテルやプリンスホテル運営の4ホテルなどもWebサイト上でお詫び文を発表
「大丈夫ですか?」と心配をする企業が多かった。中には、何くわぬ顔でしれっとメニュー表示を変えてしまえばバレないんじゃないかなんてことを言い出す企業もあったが、先ほどの「後発者利益」について説明をした。
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公表した企業のその後
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