旧ジャニーズ事務所「エージェント契約」と「マネジメント契約」の違いは? 所属タレントの今後を予測

旧ジャニーズ事務所が行うと言われている、タレントとのエージェント契約。はたして、タレントたちはどんな契約をして、今後はどう活動していくのか? 元テレビ局スタッフの筆者が、エージェント契約の解説と、タレントたちの未来予想図を解き明かします。

10月2日に開催された記者会見で、契約形態の見直しを発表
10月2日に開催された記者会見で、契約形態の見直しを発表
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)は、創業者であるジャニー喜多川氏による性加害問題で所属タレントとの契約見直しを行っています。ニュースなどでも取り上げられている「エージェント契約」に移行するのですが、タレントたちの活動がどう変化していくのか、気になっているファンも多いでしょう。

今回は、元テレビ局スタッフの筆者が、「エージェント契約」について解説し、今後のタレントの活動にどう影響があるのかを予測していきます。

なぜ『エージェント契約』を結ぶ必要があるのか?

まず、なぜ旧ジャニーズ事務所のタレントたちが、新たな契約を結ばなくてはいけないのかを説明していきます。今回、ジャニー氏の性加害について、所属タレントたちは仕事に支障をきたしました。

その中で、もっとも影響が大きかったのが、CMスポンサーからの契約見直しです。ニュースでご存じの読者も多いと思いますが、日本を代表する大企業が次々と旧ジャニーズ事務所との契約打ち切りを表明。これにより、所属タレントは莫大な契約料が獲得できる、テレビCMの仕事がなくなることになります。

それに伴い、企業からのスポンサー料=CMで成立しているテレビ番組は、旧ジャニーズ事務所のタレントを起用しづらくなっていきます。例えば、とあるドラマに「A社」がCMスポンサーとして名を連ねます。その「A社」が、旧ジャニーズ事務所のタレントと契約を打ち切った会社の場合、不具合が生じてしまうわけです。

テレビ局のスタッフは、旧ジャニーズ事務所と契約見直しがあった企業を照らし合わせてキャスティングすることになり、莫大な時間を費やすことになります。そうなれば、はじめからキャスティングしなければ良いと、タレントが出演する機会を減らしていく構図が出来上がります。

「P&Gジャパン」などタレント個人と契約を結ぶ企業も

そういった仕事の損失を減らすために、タレントたちは「ジャニーズ事務所」と決別する意味で、契約を見直して新会社と「エージェント契約」を結ぶことになりました。CMスポンサーの中で、「P&Gジャパン」は事務所との契約は終了し、生田斗真さんなどタレントと直接契約を結んだことがスポーツ報知の取材で明らかとなりました。
  企業として、到底許されない旧ジャニーズ事務所とは契約できなくても、タレントと個人的には契約を結びたいというスポンサーがいる中で、生き残りをかけてエージェント契約への移行を進めていることになります。
次ページ
そもそも「エージェント契約」とは?
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    東海道新幹線60周年。品川駅の「特大パネル絵」で振り返る、新幹線の忘れられないエピソード

  • 「正直、日本ってさ…」外国人に聞くぶっちゃけニッポン

    日本が大好きなチリ人に「住みたい都道府県」を聞いてみた。東京には住みたくない、その理由は?

  • ヒナタカの雑食系映画論

    永瀬廉主演の『よめぼく』も話題。もう“お涙ちょうだい”なんて言わせない「余命宣告」映画の誠実さ

  • 世界を知れば日本が見える

    「低所得者なのにディズニーに行こうとするなんて…」いつから夢の国は「格差社会の象徴」になったのか