新型コロナ禍が落ち着いてから、世界の旅行好きが一気に国外に飛び出すようになった。日本も2022年10月に外国からの個人観光受け入れを再開し、円安も後押しして外国人たちが大勢日本に詰めかけている。
来日客のおかげでインバウンド経済が盛り上がっているが、先日出張で関西に行った際には、地元の人から「外国人観光客に大人気の京都ではタクシーもバスも運転手不足でかなり不便になっている」と聞いた。まったく供給が追い付いていない、と。
外国人旅行者が増えているのは筆者も感じていて、外国人から道を聞かれる機会も以前より増えた。日本が、外国に暮らす人たちから注目されて、多くが大金を叩いて訪問したいと思っていることは日本人として誇っていいことではないだろうか。
そこで単純な疑問が湧く。観光客だけではなく一般的に外国人は日本のことをどう見ているのだろうか。そこで、2023年現在の日本を訪問している人たちに話を聞くなど取材をしてみた。
シンガポール人「以前の日本とは少し雰囲気が変わった気がする」
10月初め、筆者の知人であるシンガポール人がコロナ禍以降初めて日本観光に訪れた。この知人は仕事柄、海外出張が多いが、あまりにも日本の文化が好きすぎて、コロナ前は休みのたびに日本を訪問していた。
今回、久々に一緒に食事をすることになったので話を聞いてみると、まずは「あまりの外国人観光客の多さに驚いた」と語っていた。「どこへ行っても外国人と行き合うので以前の日本とは少し雰囲気が変わった気がする」と言い、特に京都などの観光地は、「まだまだ訪れたい場所はあるけど、しばらくは京都には行かないな」と話していた。
ただこの知人によれば、世界各地にいる友人らも、これから次々と日本へ旅行に来る予定で、外国人観光客が押し寄せていても日本には来たいらしい。
アメリカ人「食事がさらに安くなった気がする」
9月、アメリカから家族で日本を訪問した別の友人は「とにかく交通が便利。東京ではバスと電車を使って迷いながら移動している。困ったらタクシーに乗る。でもバスも電車もこれまで以上に外国人が多かった印象だ」と語っていた。
明治神宮が特に印象に残った観光地だったという。「もともと日本は食事などがリーズナブルだったが、それがさらに安くなった気がする。ネットの時代で買い物には興味ないが、食事や独特の雰囲気は日本に来ないと味わえないので絶対にまた行きたい」と話してくれた。
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