食欲の秋、山梨県で本当においしいジビエを存分に楽しみたい!

ジビエの品質管理に力を入れ、「やまなしジビエ」を掲げる山梨県にはジビエを存分に楽しめるスポットがたくさんあります。ジビエがおいしいシーズンだといわれる秋の山梨県に、すご腕スナイパーや絶品ジビエを堪能できる隠れ宿、ビール醸造所のユニークなジビエ中華を訪ねてみました。(取材協力:山梨県農政部販売・輸出支援課)

山梨ジビエ


秋といえばおいしいものが盛りだくさん。秋刀魚、松茸、栗など、旬の味覚を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。秋は森の中の餌が豊富になり、動物たちは冬に向けて栄養を蓄えるため、ジビエが最もおいしいシーズンだといわれます。「やまなしジビエ」を掲げる山梨県は、ジビエの品質管理に力を入れ、ジビエを存分に楽しめるスポットがたくさん。獲物を一発で仕留めるすご腕スナイパーの営む店や、絶品ジビエを堪能できる秘境の隠れ宿、ビールも造るユニークなジビエ中華などなど。おいしいジビエを楽しみに、いざ山梨県へ!

「やまなしジビエ」って何ですか?


ジビエとはフランス語で、狩猟によって食用のために得た野生の鳥獣のこと。日本では、シカ、クマ、イノシシ、キジなどが昔から鍋などの料理に使われていました。近年では、畑を荒らす害獣駆除として捕獲されたシカやイノシシなどを、ジビエ料理として楽しむことで無駄なく利用しよう、という考えが一般に広まっています。

山梨県では「やまなしジビエ」という独自の認証制度を作り、より衛生的で安全・安心なジビエの提供に務めています。ジビエにはさまざまな野生動物がいますが、山梨県が認定しているのは、野生のニホンジカ。近年では生息数が増大し、県内の農作物や林業に対する被害が深刻さを増しています。また捕獲されたシカは尊い命ある天然資源でもあり、それなら県の特産品や町おこしとして有効活用できないか、とのことで2017年より認証制度が実施されました。

認証制度では、山梨県内で適切な衛生管理・処理を行っているシカ食肉処理加工施設を「やまなしジビエ認定施設」として指定しています。また、仕留めてからおおむね2時間以内に処理施設に搬入するなど、高品質なシカ肉を提供するための処理方法や作業工程の基準が定められています。

やまなしジビエ
やまなしジビエ認証マーク

このような基準を満たしたシカ肉を提供する飲食店は、「やまなしジビエ認証マーク」を掲げています。山梨県でジビエ料理を食べるときは、ぜひこのマークをチェックしてみてください。今回ご紹介する場所は全て「やまなしジビエ」の認証を得たシカ肉を料理に使用しています。

■やまなしジビエ
https://www.pref.yamanashi.jp/oishii-mirai/contents/rich_environment/gibier.html

すご腕スナイパーが仕留めた、こだわりのジビエでバーベキュー

山梨ジビエ
のどかな自然が広がる、山梨県の早川町で通りがかりに見た風景

最初にご紹介するのは、日本一人口が少ない町といわれる早川町の風光明媚(めいび)な山の中にある〈早川ジビエYAMATO〉。ジビエの処理加工施設とジビエ販売、そしてバーベキュー設備を備えたミニレストランです。代表の望月秀樹さんは、物心ついた時には狩りに出ていたという、曽祖父の代から続く生粋の猟師。1人で山の中に入り、獲物は首か頭のみを銃一発で仕留めるという、高い技術を持ったすご腕スナイパー!

やまなしジビエ
〈早川ジビエ〉代表で猟師の望月秀樹さん ※写真提供:早川ジビエ

食べることが大好きで、お客さまにはできるだけおいしいものを提供したいと考えている望月さん。

「例えばわな猟の場合は動物が暴れることも多いので、通常より体温が3度くらい上がる。そうすると肉質にも大きく影響が出てしまう」とのこと。動物たちがリラックスして水を飲んだり、休んだりしているときを狙い、気付かぬうちに撃ち、極力ストレスを与えないようにしています。

無事仕留めた獲物は素早く運んで解体し、およそ1時間以内に真空パックにしてマイナス40℃で冷凍。いつどこで、何時何分、どのような状態で獲れたか、写真で細かく記録し、情報を残しています。品質管理のために徹底的に検査を行い、大学や国の機関と一緒に、衛生に関するさまざまな調査を行っているそうです。店で販売するものは、全て自分で仕留めて加工したものだけというこだわりっぷり。加工処理施設のため、解体だけを頼まれることもあるそうですが、自分で狩っていないものは、なんと望月さんが飼う犬たちの餌になってしまうんだそう。

山梨ジビエ
シカやクマの肉を食らう猟犬たち(&アイドル犬のフレンチブル)。一見すると怖そうだが、とても人懐こく愛らしいワンコたちでした

オープンエアのテラス席があるミニレストランでは、鹿ロースト丼や鹿肉カレー、鹿ほうとうなどが食べられますが、おすすめは自分で調理するジビエバーベキュー(要予約)!

シカのカタ、モモ ロース、スペアリブなどが野菜とセットになっており、さまざまな部位を楽しめます。パッケージになっているので、そのままキャンプに持っていくことも可能。 

山梨ジビエ
ジビエバーベキューセット(2人分 ※季節によって肉の部位などの内容は変わります)。肉の追加もOK。ここで焼く場合はコンロ代、ゴミ処理代が別途かかります。店は週末祝日のみオープン
山梨ジビエ
だんだんと肉が焼けてきて、いい匂いがしてきました! ……と思ったらあっという間にペロリ

味付けはシンプルに塩とこしょうだけ。ジビエは臭みが気になるという人もいるかもしれませんが、適切に処理されたジビエには嫌な臭いはなく、スパイスなどで隠す必要もありません。むしろクリアで肉本来の自然なうま味が感じられます。ベースは赤身肉で、脂身もすっきりした味わい。高タンパク低カロリーです。

「俺は食べ応えのあるカタ肉が大好きなんだけど、ジビエを食べ慣れていない人は、柔らかい食感のロースが食べやすいかもしれない。どの部位もそれぞれの良さがあるので、ぜひ食べ比べてみて」と望月さん。

最近はペット用ジビエも人気だそうで、〈早川ジビエYAMATO〉でも販売しています。ペット用といっても、実は人間が食べても大丈夫なほど上質な肉を加工しているそう。グルメなワンちゃんネコちゃんのために、わざわざ遠くから買いに来る飼い主さんも多いそうです。ペットと一緒にキャンプやピクニックがてら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

■早川ジビエYAMATO
https://www.hayakawagibier.com/

>次ページ:秘境の温泉旅館でしっぽりジビエ料理のフルコース
 

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