個人も、組織も、変革の時期
「ダイバーシティ」「多様性」「インクルージョン」という言葉を、皆さんも聞いたことがあるでしょう。「これまでの社会」にはなかった働き方を創出している組織が増え、今後より一層働く場の中で「多様な人がいる状態」は強まっていくはずです。しかし、新たに働き方を創出し、そのような働き方にトライする人がいる以上、会社組織の中で「これまでと変わらず、今まで通りにやる」ということは難しく、変化は必ず必要になってきます。そして違いが出てきた以上、影響やひずみが起こってくることは想像できます。
例えば、初めて産育休取得を経て働きたい女性が誕生した組織をArrowArrowが支援したケースがあります。そこでは、対象者を含めて今後どのような働き方をしていくことができるだろうかということを皆で考えるような機会を持ちました。
「働き方の違う人がいる」という組織において、仕事を前に進めていくにはどうしたらいいかを考えたり、起こりうるリスクを予想したり、それでも共に働くにあたって大事にしたいことを言い合えたり、そのような「働き方に関する会議」をおこなう必要があるのではないかと、そのとき実感しました。
「子育てしながら働く」に正解も答えもないため、個々人の悩みや葛藤・揺れは発生するでしょう。同様に、今は組織側も悩み、迷い、変化への対応に揺れている状態です。
そうなったときに「個人が変わる」ということと「組織が変わる」ということ。そのどちらかだけではなく、その双方の変化が必要だと、さまざまな個人と組織を支援する中で強く感じています。
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この記事の執筆者:海野 千尋
特定非営利活動法人ArrowArrow代表。2013年に団体へジョインし、子育てしながら働く社員と組織の選択肢を創る活動に従事。働き方における企業伴走支援や企業・自治体キャリアデザイン研修講師を担い、自治体協働事業や企業社会貢献事業を通して、新しい働き方のプラットフォームづくりをおこなう。