妊娠を発表した人気YouTuberの発言からも考える
先日、妊娠を発表した人気YouTuberのゆんさんが動画内で語った配達員への苦言エピソードが炎上騒動となった。9月13日、「悲しかった話」としてアップされた動画で、ゆんさんは、マンションの共有部分に配達された大きな家具を「玄関まで運んでほしい」と2人の配達員に依頼したところ「そういうのやってないんで」と、断られてしまったエピソードを紹介した。「リビングに入って設置してと言ってるわけではないのに……」と振り返りながら、「悲しかった」と胸の内を語った。
しかし、この動画が公開されるやいなや、SNS上では賛否が勃発。同情の声も多く上がったものの、「玄関まで運び込むのはサービス外」「妊婦だから“やってもらって当たり前”と思っているのは間違い」などの批判的な声も多く上がった。
炎上を受け、ゆんさんは、15日にX(旧Twitter)で「配慮に欠けておりました」と謝罪した。さらに20日には「お騒がせしている件について」と謝罪文を投稿し、動画を非公開にしたことを発表した。
「優先されて当たり前」という感覚が炎上を生む?
ゆんさんに対して、批判的な声を寄せる人と、前述の「マタニティマーク むかつく」と感じる人の心理は少し似ている。ゆんさんに対し、配達員が強い口調で「そういうのやっていないんで」と言ってしまったことには問題があり、多くの人が指摘している。しかし、本来の配達サービスが、玄関での受け渡しまでだということを考えると、たとえ妊婦であったとしても、受け取る側が、事前に設置オプションなどを付け、問題なく受け取れるように準備する必要があった。
動画を見た視聴者から、「妊婦だから特別なサービスもやってもらって当たり前だと思っている」と、受け取られてしまったことも炎上の理由の1つに考えられる。それは前述したマタニティマークに対し「優先されて当然みたいな空気で割り込まれるとむかつく」と感じる心理と同様だ。
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