マタニティマークは妊産婦の安全性と快適さを確保するための大切なマークだ。ところが、検索窓に「マタニティマーク」と入力すると、サジェストの上位に出てきたのは「マタニティマーク むかつく」だった。なぜ、妊婦を守るためのマタニティーマークに対して“むかつく”と思う人がいるのだろうか。
電車で席を譲ったが……
先日、帰宅ラッシュで満員のJR山手線に乗っていた時のこと。渋谷駅で乗車した女性が筆者の近くに立った。彼女にふと目をやると、おなかこそ出ていないが、カバンにはマタニティマークがついている。女性の前の座席では、大荷物を抱えた男性がうたた寝をしていたが、男性はマタニティマークを見るなり、とっさに立ち上がり、「どうぞ」と女性に声をかけた。だが女性は「すみません。大丈夫です」と座ることを断った。
男性はすでに席を立ってしまっていた。なんとなく席に戻るのも気まずくなったのか、男性は重い荷物を抱えて、少し場所を移動してしまった。
「マタニティマークをつけている人を見かけたら、絶対に席を譲らなければいけない」と漠然と考えていた筆者は、「なぜ女性は座らなかったのだろう……」と疑問に思った。何気なく、スマートフォンのGoogle検索で「マタニティマーク」と入れた。
すると、予想もしなかったサジェストが目に入った。検索窓に出てきたのは「マタニティマーク むかつく」だったのだ。
なぜ、マタニティマークが“むかつく”のか
なぜ、マタニティマークに対して“むかつく”と思うのか。気になった筆者は、さまざまな人の意見をのぞいてみた。
SNS上にあったのは以下のような意見だ。
・マタニティマークの人は優先したほうがいいと思うけど、優先されて当然みたいな空気で割り込まれるとむかつく
・電車で自分の前に立っている女性に睨まれているな……と思ったらその人がマタニティマークをつけていた。なんか嫌な気分。ちなみに普通席
・マタニティマークを付けた人が混んだ電車で優先席に荷物置いて、2席占領していた
中には、妊婦を“妊婦様”と揶揄(やゆ)する声も上がっている。
確かに、満員電車で2席占領している妊婦がいるところを想像してみると、ほかの優先席を必要としている人が座れない可能性もあり、イラっとしてしまう気持ちは分からなくもない。
てっきりマタニティマークをつけている妊婦に対して“むかつく”と思うのは、一部の心ない人の妊婦へのいやみな声ばかりだと思っていたが、妊婦側に問題があるケースもあるようだ。
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