その『バービー』の盛り上がりには、いくつかの理由があります。もちろん、世界的人気を誇るおもちゃが題材であること、マーゴット・ロビーやライアン・ゴズリングというスター俳優による訴求力も絶大なものでしょうが、それだけではないのです。まとめてみましょう。
公開前から全身ピンクの「バービーコア」がSNSで大バズり
2022年秋冬コレクションにて、ファッションブランドのヴァレンティノが全身ピンクのルックを発表し、全身ピンクで着飾ったスタイルがトレンドになりました。さらに映画『バービー』のファーストルックの解禁により、ピンクでファッションをコーディネートする「バービーコア」と呼ばれるムーブメントがSNSで大盛り上がり。俳優であり歌手のゼンデイヤもInstagramにバービーコアを投稿しています。公開されてからも、バービーコアそのものな全身ピンクの服で映画館に駆けつける観客の姿が話題に。劇中のピンクに彩られた“バービーランド”のセットのために、世界的にピンクの塗料が品薄状態になったことも話題になりました。
「パッと見て分かりやすいビジュアル」がヒットの起因か
SNSでバズったのはバービーコアだけでなく、「バービー セルフィー ジェネレーター」もあります。誰でも簡単に好きな画像を映画のポスターっぽく加工できるお手軽さもブームの理由だったようです。日本語版も提供されています。
この映画『バービー』の「(ピンクの)分かりやすく目立つルック」があってこその人気は、「赤と緑のジャージ」を筆頭としたビジュアルが鮮烈でコスプレしやすく、同様にSNSで大バズりしたNetflix配信のドラマ『イカゲーム』も連想します。今後も「パッと見て分かりやすいビジュアル」を持つ作品こそが、世界的なブームを引き起こしていくのかもしれません。
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